リュート奏者ナカガワの「その手はくわなの・・・」

続「スイス音楽留学記バーゼルの風」

ガット・レポート

2012年11月02日 09時10分53秒 | 音楽系
ガムート社から購入したガット弦ですが、バロック・リュートとルネサンス・リュートに早速張ってみました。今回は1コースに0.42mmもいけるかなと思い、何本か注文しまして、張ってみました。以前0.42mmの弦がえらく長持ちしたことがあったので、注文してみましたが、張ってみると2日目にはケバがひろがってほつれてくる弦ばかりでした。一番ひどいのは、弾いてもいないのにケバが出てきて、というのもありました。ということで、使える一番細い弦は0.44mmということですね。0.44も張った弦全てが5週間保つという訳ではありませんが。

私の使っている弦長70.5cmのバロック・リュートの1コースと、弦長57cmのルネサンス・リュートの1コースは計算上同じ太さの弦でほぼ同じ張力になります。バロックを415、ルネサンスを440に調弦した場合です。

今回はちょっとドジを踏んでしまって、ルネサンス5コース用の弦を1本しか頼まなかったので、ルネサンスは4コースまでしか交換することができませんでした。5コースがアキーラのDタイプの巻き弦なので、ちょっとぎらついた感じがしてややバランスが悪いですが、それでもとてもいい感じです。ルネサンスの1~4コースは次のような弦を使っています。

1 0.44
2 0.50
3 0.66 
4 0.84
いずれもビーフガットのトレブル弦です。

あと
5 1.00 銅線ギンプ
6 1.50 銅線ギンプ
6’0.74 ビーフガットトレブル
7 1.68 銅線ギンプ
7’0.84 ビーフトレブル
を張る予定です。

ただ6コースと7コースにギンプ弦を張ると音が地味になりすぎてコンサートには不適な感じもします。やってみないとわかりませんが。

バロックは次のように弦をはりました。

1 0.44
2 0.48
3 0.58 
4 0.74
5 0.90
6 1.04 銅線ギンプ
6’0.48
7’0.54
8’0.60
9’0.64
10’0.74

これでバロック・リュートにはプレーンの合成樹脂弦は1本も使っていないことになります。バス・レンジには、ギンプ弦は多分ちょっと難しい感じがします。6コースバスでなんとかギリギリ許容できるかなって感じがします。バスレンジにはオープンワウンド弦がいいと思いますが、アキーラでは試作のみで販売していないので、手に入るようになったら使ってみたいと考えています。でも古い合成樹脂フィラメントの巻き線と、他はガットというのはなかなかバランスがいいです。