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最適なシフト

コールセンターに電話をかけても、なかなかつながらない、という経験はないだろうか。

消費者金融の新生ファイナンシャルでは、コミュニケ―ターが15秒以内に電話に出る「応答率」と、電話に出られない「放棄呼率」を指標として、「最適なシフトづくり」を目指す改善活動を行っている。

同社では、過去のデータを基に、電話の着信件数を予測し、顧客のニーズに合わせて応答体制を整えているという。予想した着信件数と実際の着信件数のギャップはわずか5%。

ここで大事なことは、顧客の相談内容に応じたスキルを持ったコミュニケーターを適切に配置すること。そのために、コミュニケ―ターの知識量やスキルを5段階に分け、顧客からの相談内容も40パターンに分類している。これによって誰をどの時間帯に配置するかを決めることができるという。

さらに、WFM(ワーク・フォース・マネジメント)というITソフトを使うと、従業員の要望や健康状態、労働基準を考慮して、シフト表を作ることが可能になる。

こうした取り組みによって、応答率は91.8%から93.8%へ、放棄呼率は3.6%から2.7%へ、シフト作成にかかる時間は190時間から93時間へ、欠勤率も3.5%から2.6%へと改善したらしい。

新生ファイナンシャルの手法は、経営資源を効率的に運用しつつ、従業員の満足度と顧客の満足を高めるための優れたアプローチである。小売、外食、医療など、「シフト」が大切になる企業に応用できる可能性が高い、と思った。

出所:「CSとES向上、経費3割減」日経ビジネス2010.9.27, p.84-87.
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