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成功者について

芸術家の岡本太郎氏は、著書『太郎に訊け:岡本太郎流爆発人生相談』(青林工藝舎)の中で、「成功者」について次のように語っている。

「成功者というのは、何百万何千万のなかのわずか数名きりだ。しかも、成功した者を調べてみると、その人間をとりまくいろいろな状況が押し上げた場合が多い。その他に策略妥協がうまかったり、成功したりして、勝利をつかんだ。そういう人物は別段、尊敬できないし感動もないね。」

「人間の運命というのは、九十九.九九パーセントが成功しないのだ。だから、成功者でない方がより人間的な運命なんだ。そういう無名の運命のなかで、自分の筋を貫き通して、歴史にものこらないで死んでいった者の生き方に、ぼくは加担したいんだよ。」

ここでいう「成功者」とは、歴史に残る成功者を指しているのだが、そこまでスケールを大きくしなくとも、社会的に成功する人と成功しない人を比べると、成功しない人の方が圧倒的に多いだろう。たいていの人は世の中に知られずに死んでいく。

岡本氏の考えの中で印象に残ったのは「自分の筋」という言葉。自分の中の「こだわり」「やりたいこと」「使命感」を持ち、それをやり通した人こそ、本当の意味での成功者と言えるかもしれない、と思った。
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