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礼儀のある競争

俳優養成所「無名塾」を主宰する仲代達矢氏の記事を読んだ。

仲代氏によれば、良いパフォーマンスを見せる劇団には「嫉妬」があるという。逆に言えば、競争がない仲良しグループは良い結果が残せない。

しかし、仲代氏は、無名塾の中で「家族」としての雰囲気を重視しているらしい。実力のある後輩が先輩を追い越すこともある劇団の中で「家族」と「競争」という相反するものをどのように融合しているのだろうか?

それは「礼儀」である。

仲代氏いわく「先輩を追い越すことがあるからこそ、礼儀が大切だ」という。

「お先に行かせていただきます。申し訳ありません。失礼させていただきます。そうしたごく当然の礼儀作法が、個人に向けられる嫉妬を和らげる。そして他人に転嫁できなくなった嫉妬心は、自己研鑽への強い動機に変質する。その切磋琢磨のサイクルが強い個人を擁する組織を生み出す。」(p.90)

成果主義が導入された企業においても、部下と上司が逆転することがある。そのとき、職場に「礼儀」がなければ殺伐とした雰囲気になってしまうだろう。

礼儀ある競争が、前向きの競争を生み出すといえるかもしれない。

出所:「無名の若者をプロに鍛える」日経ビジネス2009.5.18, p.88-90.
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