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コスト削減のコスト削減

製造業におけるコスト削減策の一つがロボットによる省力化

日産の追浜工場では、ロボットの導入や工程の見直しにより、3000人必要だった正社員が2000人になり、自動車一台あたりのコストは23%低下し、生産性は45%向上したという。

しかし、ロボットを導入するにもコストがかかる。同工場がすごいところは、なるべくお金をかけずに自動化・省力化に成功した点だ。本田工場長は次のように語っている。

「バブル期には組立工程で一人減らすのに、3千万円のロボットを導入した。今はその十分の一で実現しないと意味がない。」

同工場が着目したのは、部品を入れた箱をコンピューター制御のAGV(無人搬送車)で組み立てラインの隣まで運ぶ「からくり搬送」と呼ばれるもの。一台140万円程度のAGV以外は手作りだ。この3年間で400台のAGVを導入したという。

ちなみに、からくり搬送は、クボタの堺製造所を視察して学んだもの。他社のベストプラクティスから学ぶベンチマーキングである。

コストを削減するにもコストがかかる。追浜工場の事例は、このコストを、従業員の創意工夫と外部から貪欲に学ぶ姿勢によって削減している良い例だ。

これからは「コスト削減に要するコストの削減策」にも敏感になる必要がある、と思った。

出所:日経産業新聞2009.4.27
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