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『嘘ですけど、なにか?』(読書メモ)

木内一裕『嘘ですけど、なにか?』講談社文庫

アラサー編集者・水嶋亜紀が、警察キャリア官僚・待田隆介と恋に落ちるものの、この官僚が悪い奴だと判明。待田の陰謀で逮捕されたりしながら、彼と対決するというストーリー。

嘘を交えながらもロジカルに相手をねじ伏せる水嶋亜紀が強烈なインパクトを放っていたのだが、途中から、桐山八郎兵衛(はちろべえ)という子供が登場する。

八郎兵衛は、小説家の息子で、中学2年だが小学3年生にしか見えず、悲観的なことばかり言っているやっかいなこども。しかし、論理的思考力が異常に高く、名探偵コナンのネガティブ版といった感じで活躍し出す。

最後の方では、水嶋亜紀の影が薄くなり、この八郎兵衛の存在感が大きくなっていくのが面白かった。たぶん、作者の木内さんが小説を書いている途中から、だんだんキャラが濃くなっていき、主人公が逆転してしまったのだろう。

ちなみに、表紙は木内さんのハイパーイラストであることがわかり驚いた。



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