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『ペーパームーン』(映画メモ)

『ペーパームーン』(1973年、ピーター・ボグダノヴィッチ監督)

詐欺師のモーゼ(ライアン・オニール)が、母親を亡くした少女アディ(テイタム・オニール)と旅をする物語。10歳にしてアカデミー賞を受賞したテイタムの演技は天才的である(ライアンは実の父親)。

一番印象に残ったのは、モーゼの詐欺内容。

新聞のお悔やみ欄を見て、最近夫が亡くなった未亡人の家を訪ね、「〇〇さんから聖書の注文があったのでお届けに参りました」と嘘をついて、配偶者の名前入りの聖書を売りつけるのだ(価格は8ドル)。夫が自分の名前の入った聖書を注文していたことを知った人は感動し、喜んで買ってくれる

犯罪ではあるが、これは人を幸せにする良い詐欺なのではないか、と思ってしまった。

ちなみに、そばについているアディが、相手が貧乏人の場合には「タダです」と言い、金持ちの場合には「24ドルです」と口を出す場面がよかった。

その後のテイタム・オニールがどうなったのかを調べてみると、ちょっと残念な生活を送っているようで、少し切なくなってしまった。あまりにも早い時期の成功は、人生を歪めてしまうのかもしれない。











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