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勇ましい高尚なる生涯

内村鑑三は、講演『後世への最大遺物』の中で次のように述べている。

「それならば最大遺物とは何であるか。私が考えてみますに人間が後世に遺すことのできる、そうしてこれは誰にも遺すことのできるところの遺物で、利益ばかりあって害がない遺物がある。それは何であるかならば勇ましい高尚なる生涯であると思います」(p.58)

では、勇ましい高尚なる生涯とは何なのか?

「すなわちこの世の中はこれはけっして悪魔が支配する世の中にあらずして、神が支配する世の中であるということを信ずることである。失望の世の中にあらずして、希望の世の中であることを信ずることである。この世の中は悲嘆の世の中でなくして、歓喜の世の中であるという考えをわれわれの生涯に実行して、その生涯を世の中への贈り物としてこの世を去るということであります。その遺物は誰にも遺すことのできる遺物ではないかと思う」(p.58)

神を信じ、前向きに生きることが「勇ましい高尚なる生涯」といえるだろう。そんな生き方をしてみたい、と思った。

出所;内村鑑三『後世への最大遺物・デンマルク国の話』岩波文庫
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