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進化する組織

「21世紀に進化し続ける組織を考える」というシンポジウムのレポートを読んだ。知識創造や学習する組織で有名な野中先生とピーター・センゲ氏による講演、および日産自動車やリクルートの事例報告があったようだ。

人によって微妙に意見が異なっていたが、「個の思いを大切にして、対話し、組織にとって核となる価値を実現するために、試行錯誤を繰り返す組織」が、学習する組織であるように思えた。

印象に残った言葉は、以下のとおり。

「『いい仕事とは何か』『コア・バリューは何か』という議論のプロセスが大事です。企業の思想とは、対話によって生まれるもので、おしつけるものではないのです。」(野中先生)

「組織の中で個人が人間らしい成長を遂げることで、組織が成長すると考える企業が増えてきた。」(センゲ氏)

「多様な働く人の「こうありたい」を開放する場が必要になります。」(リクルート・草原氏)

「優良企業は事業戦略や経営手法を環境の変化に絶えず対応させながらも、自らの核となる価値観や目標は守り続けるものです。」(日産自動車・カーラ・ベイロ氏)

組織の価値観が強すぎると個人を殺してしまうし、個人の価値観が前面に出すぎてもばらばらの組織になってしまう。組織としての「こだわり」を共有しながら、個人の「思い」を尊重する組織こそ、進化し続けることができるのかもしれない、と思った。

出所:「21世紀に進化し続ける組織を考える」(Works, Apr-May, 2008, 64-67)。
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