みどりの野原

野原の便り

6月7日 ザクロ石 屯鶴峯 

2015年06月07日 | Weblog
「ガーネットを探す」というとときめくが、今日探すのは「鉄礬柘榴石(てつばんざくろいし)」というガーネットの一種。
今日の講師は我らが石博士Yさん 
数年前?4.5年前?にも今日とは違う場所で採集したことがある。

採集地は二上山麓。二上山は火山活動の痕跡を残す山(火山ではない)
麓の香芝市には特徴的な3つの岩石があるという。
①「サヌカイト」 ②「凝灰岩」 ③そして今日採集する「鉄礬柘榴石」

①「サヌカイト」は珪長質火山岩。黒曜石と同じように緻密で硬く、石器時代に鏃(やじり)・ナイフなどに使用。(2回ぐらい採集したことがある)
②「凝灰岩」これも火山由来のもの。二上山産の凝灰岩は石棺や寺院の基壇などに使われた。
③今日採集体験する「鉄礬柘榴石」 結晶が柘榴の実の形に似るところから名づけられた。結晶は6角形~8角形
成分の違いで14種類にもなる柘榴石の中でも一番普通のもので、濃赤色が多く、鉄・カルシウム・マンガンなどを含む。
特に二上山で産出するものは硬度が高く、研磨剤として使用されていた。
紙やすりの原料「金剛砂」もこれのことで、「鉄礬柘榴石」を細かくしたものらしい。
金剛砂取りは農家の冬の副業だったらしい。その採掘跡がブドウ畑になっているとのこと。

また「鉄礬柘榴石」はガーネットの一種で成分によっては宝石にもなるもの。

さて、現地に着いた。「もっと取れるところはあるが、メンバーの年齢などを考慮して」と山蔭の水路?水たまり?に案内された。それにしては足場が悪い。
やり方の説明を受け、比重の違いを利用して採集する「比重選鉱法」の一種「パンニング」を試みる。

 
説明を受けて「パン」代わりに各自持ってきた鉢受け皿やプラスチックトレーなどに水路の中の泥を入れる。「上の落ち葉は除けて、その下の泥も除けて。下の土を」とのことだが、朽ちた落ち葉が積って難しい。小さい移植ゴテではなかなかで、大きいスコップの応援を頼む。
土を「パン」にすくい入れて、水の中でゆすり泥を流す。どんどん流して行くと軽い泥は流れ、重いものだけが底に残る。その上へまた土を入れてゆすり流す・・(思い切ってゆすらないとなかなか泥が取り除けない。)これを繰り返して残ったものを、さらにゆすって精製?すると、黒いものの中に赤っぽい粒粒が残る。これが鉄礬柘榴石 
黒い泥状のものは「チタン鉄鉱石」らしい。どうやって分けるのか?


今回はチタン鉄鉱石と鉄礬柘榴石のより分けに、茶漉しとジョウゴを使われた。なるほど。

 
鉄礬柘榴石の粒 1ミリあるかないか。  右)より分けた後に残ったチタン鉄鉱石の粒はより細かい。(赤っぽいのは鉄礬柘榴石が混ざっている)

 
少量ながら、自分で採取したものはうれしい。保存用のカードと袋も貰った。家で乾かしてから入れよう。

作業を終えてお弁当を食べ、午後は屯鶴峯へ。
 
車道近くにイヌコモチナデシコ  ヒメコウゾ 果実が赤くなっているのもあった。

屯鶴峯への入口 この西側は「田尻峠」 難波から大和への街道の中では一番標高が低い山越えの道だった。
また、この近くに屯鶴峯駅があったそうだ。(臨時駅 昭和12年~昭和49年 廃止)

アメリカオニアザミ

屯鶴峯
 
白い鶴がたむろしているように見えたところから屯鶴峯と名づけられた。
白い断崖・奇岩の続く屯鶴峯 こんな景色は他にはないのでは。
傾斜した、硬度の違う、凝灰岩や礫を含む幾重もの層が浸食や崩壊によって硬い部分が取り残こされ、急崖と緩斜面を示す傾いた地形となったのが「ケスタ地形」というらしい。(難しい。理解不足・説明不足御容赦)
地質学上貴重であるとして天然記念物に指定されている。

帰り道、地蔵石仏を見に山を登る。

下から石仏は見えない。昔はあんなところを太子道が通っていたのか?

 
        苔むした地蔵磨崖仏 
このあと解散となり、二上山駅へ・関屋駅へと分かれる。私は関屋駅まで歩いた。
コメント
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