みどりの野原

野原の便り

5月24日 日本新薬植物資料館

2007年05月24日 | Weblog
W先生の肝いりで観察会の特別例会として、日本新薬植物資料館へ

初めて京都地下鉄の椥辻(なぎつじ)駅で降りる。
資料館では、到着の遅れた私たちを係りの方が門の前で待っていてくださった。

午前中は館長さんのお話を聞く。
先ず、回虫を知ってますか?と言われる。
全員が知っていたはずだ。

この会社は、日本で初めて回虫駆除剤を開発した会社だそうだ。


回虫は人間の体内に寄生し、栄養を横取りして成長する。
かって国民の6割が感染していたといわれ、社会問題となっていた。

当時駆除薬とされた「マクリ」(海草の汁)は臭くてまずく、効果も薄かったらしい。
それも資源が枯渇してきて、駆除剤の開発が急務だったが、駆除に効果があるとされるサントニン
を含むシナヨモギから作る駆除薬は、当時ソ連が製造販売を独占していて、多くの企業が、日本
での生産をしようと世界中の植物を調査していた。

昭和の初め、日本新薬はヨーロッパ原産のミブヨモギ(後に命名)に有効成分があることを発見。
昭和15年初めて国産「サントニン薬」を発売した。
その後も他の品種も導入、交配や品種改良をして、日本の回虫撲滅に大きく貢献した。

その後使命も終わり、今は病院関係の薬品等を製造しておられる。とのこと。
 
          ミブヨモギ                      サントニン

昼食後、館内の資料を見せてもらった後、温室と薬草園を案内してくださった。
温室ではカポックなど熱帯性の植物を見た。


「奇想天外」という、花博だったかでみた2枚の葉だけを持つ珍しい植物が雄花と雌花(ツボミ)
も見れた。
 
         奇想天外の雌花                    奇想天外の雄花

見本園で見たもので印象に残ったもの


  日本名はなし(ススキノキ科)    
ススキから穂が出たような姿。アメリカの植物園から種をもらい、今年で22年目。
高さは3.35メートルもあるらしい。
細かい花がビッシリ付いていて、蜜を出すらしく、虫が来ていた。

 
    ツノゴマの花(ピンボケ)            ツノゴマの実
大阪市立大学の植物園でも見たが、若いうちは食べられるらしい。
が、実が熟すとオクラのような実の先端が大きく二つに分かれて、まるでデビルのような姿になる。

 
            テッポウウリの花                  テッポウウリの実

これは横に「実にさわらないように」と注意の立て札が立っていて、余計に興味を引く。
さわったらどうなるの?
実が熟す頃、テレビが取材に来るらしい。

アケボノスギ(メタセコイア)は珍しくはないが、京大から分けてもらった20本の内の1本だと知ると、値打ちが違う。

又秋に見学を計画してくださるらしい。ぜひ来たいと思う。
W先生のお蔭ですごく丁寧に見せてもらった。




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