柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

糾弾

2018-02-11 10:42:28 | Weblog
今次五輪で好成績が望めるのはスピードスケート女子でしょう、あれだけマスコミが煽ってますから。葛西も羽生もきっとダメです、葛西は昨日出てましたが。という先入観で昨日高木美帆を見てました。NHKが五輪一色になってます、ニュース番組まで潰さなくてもいいのにと思いますがねえ。小平と並んで世界選手権で好成績を上げ続けていて、でも、いつかこのブログでも書いたことですがオランダはどうしたんだ?の訝りは続いてました。ひょっとして参加してないんじゃないかとか、そんなことは調べれば分かることですそんなことはせずに勝手に思っていただけですが、とかまで考えてました。前回の五輪であれだけ強かったオランダですよ。でも、高木が得意の1500mだけじゃなくて3000mでもいいんだとテレビが言いますから期待してましたが、やはり神風信仰でした。と言うか、オランダが寝た振りしてたのでした。全然違いますよ他国の選手とは素人目にも。タフです。解説者が頻りに言う2000m辺りの胸先八丁もスイスイ行く。蓋を開けるとワンツースリーフィニッシュです。長距離女子のケニアやエチオピアのように。で、例によって「よくやった、5位入賞は立派」と来ます。元気をもらった、感動を有難う、ですお定まりの。葛西も羽生もそう言われるんでしょうねぇ。こういう後始末には食傷します。
 石牟礼道子さんの死亡報道です。テレビも長尺です、各紙多くの紙幅を割いて悼んでます。水俣病を発信し続けた、被害者側に立って活動し続けた作家です。恥ずかしながら苦海浄土は最後まで読んでません。水俣病を契機にした公害問題には十分に興味があって、それは神経を扱う医者としてのものでもあり、国の対応への憤りであり、物言えぬ無垢の被害者への同情でもありました。覚えているのはかの石原慎太郎が環境大臣の時に水俣で謝罪しましたね、大々的に報道されてたことでした。が、この人がもともと態度がでかい(尊大に見える)ものですから、その謝り方がどうだかなと思ったことも覚えてますが。甚大な人的被害を出した多くの公害問題に対する一般的評価は、我が国の産業近代化や経済成長のための犠牲というものです。因果の証明に長い時間を要し、その間に犠牲者はどんどん増え続け、最初に糾弾した人(医者や学者も)達はこれでもかの差別や迫害に会い、その間国や行政はわざと手を拱く。被害者よりも企業を守る。有名な足尾銅山事件からこの手の事例は皆同じ轍です。国は(マスコミは)人が死ななければ動きません。そして科学を騙って因果の証明にこれでもかの時間を掛ける。疑わしきをまず止める、はしない。被害者救済よりも因果の証明されぬ場合の賠償訴訟を忌避する。企業に阿る。あいだに何人死のうが知らぬ顔。もっとも、疑わしきを止めるに傾き過ぎると、子宮頸癌ワクチン問題のような不都合も生じますから、行政の態度とすれば所詮は多数の利益が優先されねばならぬのではありますが。もう一度読もうと思います今度は最後まで。合掌。
コメント
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