今年は私の還暦年なのですが(しつこいことですみません)、大政奉還150年なんだそうです。明治維新が1868年ですから、その一年前、ですか。どの出来事を持って幕府が倒れたんでしょうね、大政奉還してもまだ徳川幕府は存在していたんですね。江戸城開城のあと会津函館戦争があって、その後ですね。で、それに対する論考が中国新聞に載ってます。中国新聞は朝日毎日を凌ぐ左巻き新聞の東京新聞一派です、原爆とカープが地域色の新聞です、論説副主幹が書いてます、内容は推して知るべしなのですが果たして「修正」モノです。歴史修正主義者と安倍さんは海外から(特に中韓から)叩かれるのが常です、戦後レジームに抗おうとしているからです。戦勝国による歴史の是正を企てているからです。この記事は、薩長による明治維新物語(維新という言葉自体が勝った方の都合ですからね)ばかりが史実ではないとの立ち位置です。明治日本が採ってきた富国強兵方針が薩長が道筋をつけた欧米列強に対する近代化政策だったのだとする常識は、昭和10年代に国家権力が正統性を跡付けるために完成流布させたものだとする仏教大の教授の説を引用して、従来通りの明治礼賛の歴史観を単に上書きするだけでいいのか、と言います。明治の方針の結果が10年おきの対外戦争、挙げ句が各地の大空襲、原爆による焦土化だ、と続けます。富国強兵ではなく富国富民の選択肢もあっただろうとの歴史作家の言を紹介します。全く「らしい」意見で、しかしこの手の反駁モノ(修正モノ)は少なくないのです、近いところでは明治維新とは薩長とりわけ長州のテロリスト達によってなされた暴力革命だ、徳川幕府にはとても優れた官僚が揃っていた、無茶やったのは吉田松陰はじめとする長州テロだ、だけではない西郷隆盛も余りに偶像化されているとした原田伊織なる作家の三部作があります。テロかぁ。現代の感覚で言えばテロリズムなんでしょうね確かに。が、あの時代の秩序や環境下に起こったことです。歴史は勝者が書きかえるのです(これが戦後レジームです、日本はあくまで敗者で、世界を乱した悪者です)、明治大正昭和を否定するは簡単でしょうが無駄でもあります。史実は史実として明らかにするは意義深いことでしょうが、安倍さんが世界に向けて発信しているのとは少しく色が違いますか。会津戦争の悲惨さもこれらの本で知らされましたし、それがワヤだとは感じますが、こういうまとめにすること自体、私がこっちの人間だからなんでしょうね。そうはわかっていますが、この手の論考にはどうしても斜に構えてしまいます。
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