柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

大きな嘘

2007-11-18 10:24:19 | Weblog
オシムさん、いけないようです。順天堂病院で集中治療を受けている、脳が腫れている、意識がないがそれは治療の一環として行われている、出血の危険が大きかったが今は何とか回避されている、重症の脳梗塞である、という新聞記事から十分に推測されます、脳の太い動脈が詰まって一面広範囲に脳が腫れてしまって、低体温療法か脳保護作用のある薬剤を使って治療として深い眠りの中に落としている状態でしょう。心臓疾患があったらしいですからおそらく長嶋のような小渕さんのような病型、心房細動という不整脈を基礎にした脳塞栓症です。長嶋の時の東京女子医大のように、小渕さんも順天堂でしたよね、有名大学病院としての、脳外科(おそらく)教授の威信を懸けて(長嶋の主治医は神経内科の教授でしたが)の治療です。考え得る限りの最新治療を投入しましょうが、最高に回復して長嶋レベルです。いえ、今は小渕さんのコースの方が濃厚ですか。現場復帰など望めないでしょう。気の毒な事ですが、しかしこれがこの人の人生です、運命です、仕方ないことです。新聞も、この人の事じゃなくて、次の監督どうするんだ?ばかりですから。
 関連して(偶々の一致でしょうが)、徳光アナを使った悪玉コレステロール悪者キャンペーンがTVコマーシャルに、新聞広告にと目立ちます。この人が心筋梗塞で入院加療したことは結構有名なことで、経験者が語るって重みを付けているわけですが、広告宣伝の類は大衆煽動の技術に沿うばかりのこと、いかに誘導するかが狙い目です、少々の(どころか大嘘ですが)偏りは許されるというのが業界の律でしょう。つまりこの広告見ると人は、悪玉コレステロールが高くなると心筋梗塞になるんだと思い、悪玉コレステロールが悪者なんだと思いますね。悪玉、なんて命名ですから当然ですわね。どうして急に悪玉コレステロール(LDL-コレステロール)と言いだしたか。そうです、そこにポイントがあります。今まではただのコレステロール値でしたよね、詳しい人は善玉悪玉という違いもご存知でしたでしょうが、220が基準値の上限の。最近学会がまたまた基準を変えてきたんです。狡いと言うかどう表現すべきか今まで(総)コレステロール値で縛ってきたのを悪玉コレステロール値を基準にすげ替えたんです。何故か?特に女は歳を取るとコレステロール値が上がってくるのが普通なんです、60歳70歳の女の人なら300に向かって徐々に上がってくるのが普通なんです。それを220なんて数字に固執して、高脂血症患者として烙印押して病人に仕立てて薬を山ほど出させて、要らぬ医療費を無駄遣いさせて、御用学者達は製薬会社とつるんで守屋次官と山田洋行と全く同じ図式です。要らぬ薬を飲まされ続けた高脂血症患者という名の病気でない人達こそ哀れなれ。健康をダシにした素人騙し、年寄り騙すシロアリ駆除やら縁の下補強業者とこれまた一緒です。さしもの学会さすがに恥じたかまずいと思ったか、例によって一言も弁明せずに知らん顔して基準を変えたという顛末です。そして変えて暫く経ってから目先を変えるこの宣伝です。大体この手の喧伝、はじめの一歩目から間違っているんです、もちろん恣意的にです。コレステロール下げても心筋梗塞なくなりません。脳梗塞の予防なんかになりませんよ。ここなんですわ、ポイントその2は。つまりは心筋梗塞にしても脳梗塞にしてもこれ!という原因を未だ掴めてないんです。学者の怠慢ですが、逆から眺めれば医学なんてのは50年前とそんなに変わってないのです。検査技術が格段進歩向上しただけ、薬が(特に抗生物質)多く見つかったというだけです。医学は日進月歩なんてよく言いますがとんでもない、牛歩もいいとこです。検査技術や微に入り蔡を穿つ技術が進歩していくだけ(ナノテクノロジーってやつです)、人の体ではなくて細胞の、そのまた微細構造物の、なんとかいう微量物質の、という世界です。そのある物質の多い少ない、有る無しで、人の状態全体を説明しようと言う愚です。木を見て森を見ずって教訓がありますが、木どころか葉っぱ、根っこの端の端、葉緑素がどうしたこうしたで森を論ずるというわけです。もちろん大発見なんてのは何を機になされるか分かりません、ですからこういう研究や方向が無駄だとか間違っているとか言うのではありません、ありませんがしかし、この手の騙しがひどすぎる横行しすぎていると思うのです。直の原因(これさえ気を付ければ決して起こらないという原因)が見つかってないんだから次善の策でしょう、なんて論も通用するんでしょうが、次善にしては慎みがないのです。まるで第一因を騙っているという横着なんです。コレステロール300越えていても元気な高齢者はいくらでもいらっしゃいましょう。ポイントの3はここです。今のこの手の基準値(これまた単純な平均値であるのに正常値と騙る嘘です)は全て病を得た人から引っ張ってきた数字なんです。脳梗塞になった人を集めてその人達の平均値と、そうじゃない人の数字を比べる、例えばコレステロール値、血圧値、血糖値などなど。そうやって出されてるんです。それでいいんじゃないか、ですか?。でも、これでは血圧200超やコレステロール値300超の人の「元気さ」「病気にならなさ」を証明できないでしょう?つまり学者の怠慢と私が言うのは、元気な人が何故元気なのかを調べようとしない片手落ち(これも必ず恣意です)を指しているのです。コレステロール値が300超えていても心筋梗塞にも脳梗塞にもならない人は、なってしまう人とどう違うのか、そこを調べようとしてないんですね。私はそれこそがその人の運命なのだ、抗うことのできぬ不可知領域だ、だからあれやこれや予防治療の名の下に手を入れるのは次善の策どころか無用不要の策だと言っているのですが(人は同じ造りで同じ物質に同じように反応するけれどその結果は各人違うのです、理想的な人間なんて決して存在しません。その差はおそらくは遺伝子上の信号の差に突き詰められることだろうとは想像しますが)、病気になった人のデータがそのまま病気になっていないあなたに当てはまる筈が無いじゃないですか。しかも数字だけを引っぱり出して大きな塊にして平均値などを机上操作するだけ、病を得た人の生活環境はそれこそ十人十色です、そういう個人差は全く考慮に入れられていません。なのにこんな数字から出てくるセリフは生活習慣を正しなさい!です。空の箱からハトが飛びだしてきたようなものです。且つ要らぬ世話です。おわかりいただけましたでしょうか。病人のデータは病人に当てはまること、次を起こさないようにする一助にこそなれです、何も起こっていない元気なあなたには関係のない数字です。それをまるで預言の数字みたいに煽って脅かす。製薬会社の売らんかな文句ですよ、即席ラーメンの宣伝と同等価値、そう思っておかれるが得策です。
コメント
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