柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

大カモ 

2006-12-18 08:41:10 | Weblog
ポールマッカートニーの新しいDVD見ました。最近急に年老いた感が強いのです、新しいビートルズのCDはLOVEというミュージカルに合わせてのリリースだったようで、特にそのプロモート写真に写っている彼は爺さん然としてあらら~と思っていたのですが、このDVDに映っている彼はおおまだ十分に若い、2005のクレジットです去年のもの、へぇーこれだけ違うもんかい?とびっくりするやら。でも(聞いている方は要求注文が過大なのです)やはり歳は悲しいもので、あの美しいシャウトが段々に影をひそめていきます。私が常にお手本にし理想と掲げていたポールの高い音のシャウトが消えては行きます。でも、ギター弾きがエリッククラプトンのビデオ見る時に顔や姿でなく左手の運指を凝視するように、彼がヘフナーベースを抱えている時はその弾き方に目が吸い付けられます。昔からこの人はベースをピックで弾きますが、ピック持つ左手の姿形が美しいと定評です。そしてハイフレットで弾き倒すというのもこの人の特徴で、相変わらず(というか変える必要もなければ、変わるものじゃないですよね弾き方なんてのは)指を開いて小指を多用する、まるでクラシックギター弾きのような、見た目難しそうな運指で、フレットを(右手を)全く見ずに当然の如く弾きながら唄うわけです。おお。何度見ても格好いいのです。Drive My Car なんてわざわざに難しく弾いているように見えますが、平気で唄ってる。この人に憧れてきたわけです。こっちも五十面下げているのですが、完全にミーハー。この人にとってはとびきりのカモ(CDだろうがDVDだろうが写真集だろうがなんだろうが出れば買う、やれば見るの大カモ)ですが、世界中に何人いるんでしょうね私のようなバカ達が(何十万、何百万のオーダーでしょうね)。内容はいつもの通りビートルズナンバーの繰り出しです。’91にライブアルバムが出て、ビートルズナンバーを初めて満載したものでした、あれを聴いたときの感動ショックは相当のものでしたが、その後はいわゆる味を占めた形、出るCD、でるビデオ、ビートルズナンバーオンパレード状態です。ある本のDVD評に、ポールのお蔵出しもそろそろネタが尽きてきたか、なんてのがありましたが、まぁそういう見方もあるかも知れませんが、あれだけの曲を作ってきた人です、しかもこれだけの人がその全てを知っているという「異常環境」です、もう何でもありですわ。何唄ってくれても OH!Yeah! です。このDVD、例えばクリントン元アメリカ大統領が出てきて賛辞を長々と並べて、そういう妙な礼賛調なところがちと気に入らぬのではありますが、画面は綺麗で、大カモの私は結局口あんぐり開けて放心状態となるわけです。是非見てもらいたいと思うのです。最後の最後に最高の見せ場があります。プリーズプリーズミーなんです、それもフルコーラス。昔、ヘルプとかサムシングとかをポールが唄っているシーンのあるビデオがありましたがほんのちょっとさわりだけといったもので、さすがに唄いにくいか(ジョンやジョージの歌ですからね)と思っていましたが、今回はフルです。レコードでは曲の始め、ジョンがメロディー唄います、ポールが高いところでペダルします、途中何度か主旋律と不協和音でぶつかりますが平気、last night I said these words to my girl,I know you never even try girl 、その高いパートを、自分のパートをポールが唄うんです。息を呑むとはこのことか!息ができません。サビの部分は(当然エドサリバンショーや、アメリカツアーではジョンが唄うのですが)ポールが唄います。ああ、時間が過ぎたんです。そういう感慨感激です。ジョンの歌をポールが唄おうと思ったわけです。こだわりが溶けていくんでしょうか。ああ。大カモは涙するわけです。
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