仕事の関係で、この四月から高齢者虐待に係る法律が新たに施行されるそうです。つまり、幼児だけでなく高齢者も虐待から保護しようという趣旨でしょう。虐待は暴力とほぼ同一のものと考えていいのでしょうか、いわゆるDV domestic violence 家庭内暴力のイメージです。先日TVでこう解説していました「暴力にも種類がある、肉体的暴力だけでなく、精神的暴力、性的暴力、経済的暴力、社会的暴力など」。この暴力を虐待に差し替えてもそのまま通用しそうです。DVは夫が妻を殴る蹴るです。幼児は親が我が子を。高齢者は成人した子が我が親に対して。まぁ言えば、夫婦げんかは犬も食わない類の出来事、いたいけな抵抗のすべをもたない幼子を殴る蹴るは人倫に悖ると憤りも強いですが、しかし我が子に向けられてのものなら手の出しようもなく、後者は老いた親を殴る蹴るような子に育てた自業自得とも言えるわけです。いや、夫婦や親子の関係でなければ、暴力や虐待は立派な刑法上の罪ですからすぐに捕まるのです。特別な関係(夫婦や親子)だから権力は「民事に介入せず」と知らん顔をしていたわけです。昔からこの手の事例は多かった筈ですよね、人のやることですから。今まで世の中が相手にしてこなかっただけのことを、昨今マスコミが、学者が騒ぎ立てて、政治家達がその気になった(体裁を整えた)という経緯なのでしょう。だから何もかもが上っ面なぞるだけの対応なのです。これらの中では幼児の虐待が、普通の人間ならいちばん眉を顰める、同情や怒りを買う悪事なのでしょうが、それでもなくならないでしょう?理由は簡単、第一線の連中の腰が退けていること、踏み込めないこと、それは法律自体が不備であること、加害者の人権とやらを被害者の人権より優先するというくだらぬ風潮に媚びているからです。そして、この手の行為は人間の一つの性として誰でもが持っているからでしょう。恐ろしい、気味の悪いことですが、それを抑えおおせるか、隠し通せるかの差なのではないでしょうかね。ううむ。他人事のようではありますが、いやいやあなたの心にも悪魔は住んでいる、のです。そう思います。
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