柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

似たもの夫婦

2006-03-16 08:39:15 | Weblog
年月を経ると夫婦は似てくる、とよくいいますね。私はいつだったか広島の繁華街で、女房の買い物を待つ間、ぼんやり人通りを眺めていて、はたと気づきました。いいや違う、夫婦が年月を経て似てくるのではなく、似たもの同士が好きになる、惹かれ合うのだと。行き交うカップルのほとんどが実によく似た顔をしているのです、これにはびっくりしますよ、一度そういう目で眺めてみてください。やはり、年配のキャリアの長い夫婦の方がよりよく似ていますが、若いカップルもどうしてどうしてよく似ているんですから。で、ここから先は推測ですが(いちいち問うわけにもいきませんので)おそらく性格性癖心根も似通っているカップルが長続きするんでしょうね。でしょうね、なんて人ごとみたいに言わなくても自分と女房のことを考えればいいことですが、やっぱり物の考え方やら物事の捌き方やら人生観やら処世観やらは似ています。でも、若い頃はそんなこと考えもしませんからね、そういうことを考えるには若すぎた未熟に過ぎたというべきなのでしょうが。住んでいる場所も生きている場所も違ううちは、時間の流れ方やら生活のペースの違いがそういう考え方の相違などは隠してしまうのもむべなるかなで、そちらの方がより直接的で前面に出ていることですからねぇ。ですから、同じものを食べ、見、同じ所で生活すれば似てくるのも当然だ、という謂もきっと正しい洞察なのでしょう。もとより否定することでもないですけれど。でも、でもやはり私は、一緒にいるから似てくるよりも、似ている者同士が惹かれ合うという要素の方が本質だと思っています。夫婦ばかりでなく、若いカップルを見ていて強くそう思います。が、私自身正直なところ女房と顔が似ているなんて思ったこともありません。ということは、この手の事柄は当の本人にはわからないことなのでしょうか。ううむ。人生は深いのです、道半ばにも遠い思いです。
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