memories on the sea 海の記録

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円高と水産物

2011-10-28 00:03:44 | 
日本への水産物輸入は昨年同期に比べこの7月には値上がりしていることが通関統計で分かった(10月7日Seafood Source)

昨年7月の円レートは1ドル87円、これが円高で今年は79円となった。このことで日本の買い付け力は強化されるはずだが、実際には欧州、韓国、中国などの需要増加と漁獲には限りがあることで価格が上昇している。極東ロシアからのタラバカニの価格はキロ当たり2,252円と倍に、ズワイガニは30%の価格上昇となっているがこの理由は韓国と中国における需要の増大にある。

マグロ類ではさらに競争がある。とくにEUによるもので、メバチマグロはキロ当たり850円と10%上昇した。南太平洋諸国とは日本の会社は通常6か月間一定の契約を円建てで行っている。このため円高になってもその利益を享受できない。輸入物の冷凍クロマグロの価格はキロ当たり2,889円となっている。

マダコは30%価格上昇しキロ当たり710円となったが、主要供給源であるモロッコやモーリタニアの漁獲規制が厳しくなったことによる。このため東京のスーパーマーケットの販売価格も値上がりしている。ギンダラは23%上昇してキロ当たり1,553円に、キンメダイは41%上昇、630円、ギンザケは22%上昇の575円である。この全般にわたる高値傾向は8月も続いたが、3月の震災と津波による影響で国内物の供給が制約を受けていることによる。

加えて、9月には北海道の漁業者が強烈な台風のために秋サケの定置網の網入れができなかった。このため生鮮ものが不足している。サケの回帰は順調とみられるものの価格は短期的に上昇している。

7月の総輸入量は9%減って164,000 トンだが、輸入総額は逆に増えた。水産物の卸売価格の上昇とは対照的に食品や家庭用品のスーパーマーケットでの価格は7月には下降した、と日経ビジネスは伝えている。重点販売調査の結果は食品と家庭用品60品目のうちの52品目で対前年度比で下降している。

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