今週はブルゴーニュワインの話題を取り上げていきます。
先週、ブルゴーニュのルイ・ジャド社より、輸出部長のオリヴィエ・マスモンデ氏が来日し、恒例となったブルゴーニュワインの最新ヴィンテージ2016年の紹介を、バレルテイスティングを通して行ないました。
その中で、ブルゴーニュワインの現在についても言及されました。
これについては、昨日の記事でも取り上げましたが(大橋健一MWによるセミナー)、ブルゴーニュの生産者自身の話は非常に需要ですので、重なっている部分もありますが、紹介したいと思います。
ブルゴーニュのワインは、特に1級やグランクリュを中心に高止まりが続いており、すべての注文に応えられない状況にある、といいます。
それは、大橋MWの話にもありましたし、ワイン業界の人間なら誰もが感じていることで、最大の元凶は、ブルゴーニュの収穫が少ない状況がずっと続いているからです。
2011年から2016年まで、6年間収穫の少ない状況が続き、2017年はようやく順調な収穫ができた、ということですから、2017年ヴィンテージは量的には期待できます。
しかし、6年間の不作はワインの価格に影響を与え、また、対日本への輸出においては、円安が続く為替状況があり(この1年で15%円安だとか)、こうした経済の影響も大きいため、2016年ヴィンテージのブルゴーニュワインは、ルイ・ジャド社では、これまでより少しだけ値上がっているものもある、とのこと。
他のブルゴーニュの生産者においても、不作と経済の影響で、20~30%の値上げを余儀なくされているところもあるようですが、ルイ・ジャド社としては、まだ値上げ幅を抑えられているかもしれない、とマスモンデ氏は言っていました。
ルイ・ジャドは大手ですから、小規模生産者よりは、価格コントロールの余裕があるからだと思います。
そんな中、2017年の収穫が順調だった、というのは、嬉しいニュースですね。
ブルゴーニュの新しいAOCの紹介もありました。
これは、すでに昨日のリポートで取り上げましたので、そちらをご覧ください。
AOC Bourgogne Cote d’Or (AOCブルゴーニュ・コート・ドール)
AOC Vezelay (AOCヴェズレイ)は村名クラスのヴィラージュワインになります
3番目の話題として、「ネゴシアン」が取り上げられました。
ブドウやワインを買い、自社ラベルで瓶詰めして販売するのがネゴシアンですが、
「ブルゴーニュのネゴシアンは悪く見られるが、シャンパーニュのドンペリニヨンなどもネゴシアンなのに、誰も悪いイメージを持たない」と、マスモンデ氏。
ネゴシアンについても、昨日のリポートで紹介しましたが、この時のマスモンデ氏も
「少量の年が続いたことで、ブルゴーニュのブドウも畑も価格が高騰し、クレイジーな状態。高すぎて購入できない、手が届かないレベル。だから、今、ブルゴーニュのドメーヌの80%はネゴシアン業も行なっている。ブドウを買い付ける方が、投資として少なくて済み、消費者にとっても、高過ぎるワインを買わなくて済む」と言っていました。
よって、2012年から2017年の間に、ブルゴーニュのでは新しいネゴシアンが23%増えたそうです。
特に、小さな組織のネゴシアンが誕生していて、その一方、有名なドメーヌもネゴシアン業を始めているといいます。
それに伴い、ブルゴーニュのワインビジネスの75%はネゴシアンとしての買い付けの仕事だとか。
ただし、良い畑を持っていても良いワインが造れない人がいるように、ネゴシアンの能力がない人もいるので、良い畑はもちろん大事だが、誰がやるのか?、“人”が大事、といいます。
マスモンデ氏は、フェラーリが好きでも、自分だと乗りこなせない、と例を挙げていました。
ルイ・ジャド社も、自社畑(コート・ドールに140ha、クリュ・ボジョレに87ha、プイイ・フイィッセに18ha)を持つドメーヌであり、ブドウを買うネゴシアンで、大手生産者ですが、「ブドウ畑&醸造に対して最低限しか介入しないという哲学の下、ワイン造りを行なっている」と、マスモンデ氏。
彼の話で、ブルゴーニュのネゴシアンに対する見方が変わった方もいるでしょうか?
さて、いよいよ ブルゴーニュ2016年ヴィンテージ です。
マスモンデ氏曰く「色々なことが起きた年」。
前年の12月から1月はとても暖かかったものの、2月、3月は寒さがあり、それでも普通の年と変わらない程度でした。
4月に入ると、ブドウの木の成長は3週間ほど早く進み、2015年と似ている状況でした。
しかし、4月の最終週、非常に冷たい空気が流れ込み、3日間、夜中の気温がマイナスになり、小さな芽がマイナス気温の影響で凍ってしまいました。
とはいえ、この程度では、まだそれほど深刻なダメージではありませんでした。
ところが、朝になり、強い太陽の光が凍った芽に当たり、わずか3分で黒く焼け焦げてしまい、畑に“黒い霜”が降りたような状況になり、一目見て、もうダメだと思ったそうです。
ブルゴーニュの北から南まで被害があり、白ワインの村でも被害を受けました。
この後、2、3週間で新しい芽が出てくれたものの、50%は葉になる可能性があるけれど、残り50%は果実になるのでは…という期待をしたそうですが、サヴィニー・レ・ボーヌやペルナン・ベルジュレスなど、95%を失った村もあり、北のシャブリでも被害を受けました。
しかし、マコネやボジョレは霜は降りませんでした。
5月、6月はかなり涼しく、雨もありました。
しかし、冷気が病気の広がりを妨げ、畑を助けました。
また、冷気は植物の生育サイクルをゆっくりにしました。
が、村によっては、雹害を受けたところもあったようです。
7月、8月、9月の夏は素晴らしく、暑く、雨が降らず、9月に水不足となり、水分ストレスを受けながら、9月27日から収穫が始まりました。
ルイ・ジャドでは、収穫は10日間で終わりました。
「霜から生き延びたブドウ、畑を大事に扱った」と、マスモンデ氏。
2016年ヴィンテージのワインの特徴は、
夏の暑さから来るまろやかさがあり、エレガントさもある。
赤は、暑さと霜の影響から来るきっちりとしたタンニンがあり、1年のうちで寒さも暑さもあったため、バランスの取れたものになった。
2015年ヴィンテージは、タンニンが多く、硬く、ストラクチャーがしっかりして、白でもタンニンを感じ(デカンタしてもOK)、あたたかみがあり、アルコール度数が高め。白も赤も長期熟成でき、特に赤は完全に長熟タイプ。
2016年ヴィンテージは2015年の対極にあり、繊細でエレガントで、消費者が好むスタイル。
キレイな酸がしっかり存在し、ダイナミックなワインになったので、
2016年の白ワインは、ある程度長熟する2015年の白ワインよりも優れている、
2016年の赤ワインは2015年よりも飲む喜びを感じる。
ルイ・ジャド社では、ほぼ100%天然酵母で発酵させ、白ワインにおいては、リンゴ酸を残すために、マロラクティック発酵(MLF)を途中で止め、ミネラルに富むワインになるようにしています。
2016年は、白も赤もMLFがとてもゆっくり進み、白ワインはMLFの進行を80%でブロックしたため、ワインの中の酸を自然な形で残すことができました。
リンゴ酸は、ミネラル感だけでなく、より垂直に広がる、よりダイナミックで、より長熟な、よりイキイキしたワインになるのに欠かせないものだからです。
結果、2016年はアクセスしやすく、口の中に入れた時に、おいしいという喜びを感じる、バランスの取れたワイン、とのこと。
イメージ湧いてきたでしょうか?
という話を聞いた後で、2016年ヴィンテージバレルテイスティングを行ないました。
オリヴィエ・マスモンデ氏 ルイ・ジャド社 輸出部長
バレルとは樽のこと。昨年7月に、マスモンデ氏と醸造長らで熟成途中の1樽を選び、9月にもう一度チェックし、10月に瓶詰めしたボトルを持ってきたそうです。
まだ完成品ではないものの、およそ80%という状態なので、それなりの特徴がわかります。
白は2016年と2015年の比較(Beaune 1er Greves Le Clos Blanc Domaine Gagey)
赤は2016年と2014年の比較(Bourgogne Le Chapitre Domaine Gagey)
マスモンデさんの話の通り、白の2015年は骨格がしっかりとして太く、果実の厚みもあり、わかりやすいワインだと思いました。
2016年は、熟した果実の香りがありますが、若々しい酸があり、繊細でエレガント。フィネスを感じさせます。
赤の2016年も繊細なタッチで、デリケートな果実味と酸があり、軽やかですが、すでに複雑味もあり、長い余韻があります。
2014年はより熟したフルーツ感が濃厚で、ほんのりとしたタンニンも感じます。まだまだ若さがあり、清々しく、チャーミングなワインだと感じました。
2014年ヴィンテージに関しては、「とても寒かった年ということもあり、寒かった年は好まれない傾向にあるため、各誌の評価は高くなかったものの、酸がしっかり存在し、ピュアでクリスタル感のあるワイン」とマスモンデ氏の談。
2014年は酸がより固い状態にある。熟成の仕方が違ってくるだけで、後は各自の好み、と言っていましたが、まさにその通り。
ブルゴーニュは、誰がどう造っているか?が一番大事。
次はテロワール、3番目がヴィンテージ、だそうです。
難しい年でも、いいワインを造る人はいる。
いい畑、醸造設備を持っていても、能力のない人のワインはダメ、そういうことですね。
この後、いくつかの2016年を試飲しましたが、白ワインはすでに完成形に近いものが多く、マイナーなアペラシオンのものでも良い出来だと感じました。
コルトン・シャルルマーニュなどは、さすがに別格ですが、同じテロワールなのにお手頃価格のペルナン・ベルジュレスも出来がよく、お買い得だと思います。
赤ワインは、アペラシオンによってかなり状態が違います。
フェミニンなスタイルといわれるアペラシオンは、今からでも飲めそうで、優雅で上品。思わず笑顔になります。
骨太系のアペラシオンは、まだまだ途中段階にあり、将来に期待大です。
ルイ・ジャド社のバレルテイスティングは何回か参加していますが、年それぞれに特徴があり、興味深いです。
過去のリポートのリンクを張りますので、興味がある方は、ぜひご覧ください。
[参考]
■2015年バレルテイスティングリポート → コチラ
■2014年バレルテイスティングリポート → コチラ
■2013年バレルテイスティングリポート → コチラ
先週、ブルゴーニュのルイ・ジャド社より、輸出部長のオリヴィエ・マスモンデ氏が来日し、恒例となったブルゴーニュワインの最新ヴィンテージ2016年の紹介を、バレルテイスティングを通して行ないました。
その中で、ブルゴーニュワインの現在についても言及されました。
これについては、昨日の記事でも取り上げましたが(大橋健一MWによるセミナー)、ブルゴーニュの生産者自身の話は非常に需要ですので、重なっている部分もありますが、紹介したいと思います。
ブルゴーニュのワインは、特に1級やグランクリュを中心に高止まりが続いており、すべての注文に応えられない状況にある、といいます。
それは、大橋MWの話にもありましたし、ワイン業界の人間なら誰もが感じていることで、最大の元凶は、ブルゴーニュの収穫が少ない状況がずっと続いているからです。
2011年から2016年まで、6年間収穫の少ない状況が続き、2017年はようやく順調な収穫ができた、ということですから、2017年ヴィンテージは量的には期待できます。
しかし、6年間の不作はワインの価格に影響を与え、また、対日本への輸出においては、円安が続く為替状況があり(この1年で15%円安だとか)、こうした経済の影響も大きいため、2016年ヴィンテージのブルゴーニュワインは、ルイ・ジャド社では、これまでより少しだけ値上がっているものもある、とのこと。
他のブルゴーニュの生産者においても、不作と経済の影響で、20~30%の値上げを余儀なくされているところもあるようですが、ルイ・ジャド社としては、まだ値上げ幅を抑えられているかもしれない、とマスモンデ氏は言っていました。
ルイ・ジャドは大手ですから、小規模生産者よりは、価格コントロールの余裕があるからだと思います。
そんな中、2017年の収穫が順調だった、というのは、嬉しいニュースですね。
ブルゴーニュの新しいAOCの紹介もありました。
これは、すでに昨日のリポートで取り上げましたので、そちらをご覧ください。
AOC Bourgogne Cote d’Or (AOCブルゴーニュ・コート・ドール)
AOC Vezelay (AOCヴェズレイ)は村名クラスのヴィラージュワインになります
3番目の話題として、「ネゴシアン」が取り上げられました。
ブドウやワインを買い、自社ラベルで瓶詰めして販売するのがネゴシアンですが、
「ブルゴーニュのネゴシアンは悪く見られるが、シャンパーニュのドンペリニヨンなどもネゴシアンなのに、誰も悪いイメージを持たない」と、マスモンデ氏。
ネゴシアンについても、昨日のリポートで紹介しましたが、この時のマスモンデ氏も
「少量の年が続いたことで、ブルゴーニュのブドウも畑も価格が高騰し、クレイジーな状態。高すぎて購入できない、手が届かないレベル。だから、今、ブルゴーニュのドメーヌの80%はネゴシアン業も行なっている。ブドウを買い付ける方が、投資として少なくて済み、消費者にとっても、高過ぎるワインを買わなくて済む」と言っていました。
よって、2012年から2017年の間に、ブルゴーニュのでは新しいネゴシアンが23%増えたそうです。
特に、小さな組織のネゴシアンが誕生していて、その一方、有名なドメーヌもネゴシアン業を始めているといいます。
それに伴い、ブルゴーニュのワインビジネスの75%はネゴシアンとしての買い付けの仕事だとか。
ただし、良い畑を持っていても良いワインが造れない人がいるように、ネゴシアンの能力がない人もいるので、良い畑はもちろん大事だが、誰がやるのか?、“人”が大事、といいます。
マスモンデ氏は、フェラーリが好きでも、自分だと乗りこなせない、と例を挙げていました。
ルイ・ジャド社も、自社畑(コート・ドールに140ha、クリュ・ボジョレに87ha、プイイ・フイィッセに18ha)を持つドメーヌであり、ブドウを買うネゴシアンで、大手生産者ですが、「ブドウ畑&醸造に対して最低限しか介入しないという哲学の下、ワイン造りを行なっている」と、マスモンデ氏。
彼の話で、ブルゴーニュのネゴシアンに対する見方が変わった方もいるでしょうか?
さて、いよいよ ブルゴーニュ2016年ヴィンテージ です。
マスモンデ氏曰く「色々なことが起きた年」。
前年の12月から1月はとても暖かかったものの、2月、3月は寒さがあり、それでも普通の年と変わらない程度でした。
4月に入ると、ブドウの木の成長は3週間ほど早く進み、2015年と似ている状況でした。
しかし、4月の最終週、非常に冷たい空気が流れ込み、3日間、夜中の気温がマイナスになり、小さな芽がマイナス気温の影響で凍ってしまいました。
とはいえ、この程度では、まだそれほど深刻なダメージではありませんでした。
ところが、朝になり、強い太陽の光が凍った芽に当たり、わずか3分で黒く焼け焦げてしまい、畑に“黒い霜”が降りたような状況になり、一目見て、もうダメだと思ったそうです。
ブルゴーニュの北から南まで被害があり、白ワインの村でも被害を受けました。
この後、2、3週間で新しい芽が出てくれたものの、50%は葉になる可能性があるけれど、残り50%は果実になるのでは…という期待をしたそうですが、サヴィニー・レ・ボーヌやペルナン・ベルジュレスなど、95%を失った村もあり、北のシャブリでも被害を受けました。
しかし、マコネやボジョレは霜は降りませんでした。
5月、6月はかなり涼しく、雨もありました。
しかし、冷気が病気の広がりを妨げ、畑を助けました。
また、冷気は植物の生育サイクルをゆっくりにしました。
が、村によっては、雹害を受けたところもあったようです。
7月、8月、9月の夏は素晴らしく、暑く、雨が降らず、9月に水不足となり、水分ストレスを受けながら、9月27日から収穫が始まりました。
ルイ・ジャドでは、収穫は10日間で終わりました。
「霜から生き延びたブドウ、畑を大事に扱った」と、マスモンデ氏。
2016年ヴィンテージのワインの特徴は、
夏の暑さから来るまろやかさがあり、エレガントさもある。
赤は、暑さと霜の影響から来るきっちりとしたタンニンがあり、1年のうちで寒さも暑さもあったため、バランスの取れたものになった。
2015年ヴィンテージは、タンニンが多く、硬く、ストラクチャーがしっかりして、白でもタンニンを感じ(デカンタしてもOK)、あたたかみがあり、アルコール度数が高め。白も赤も長期熟成でき、特に赤は完全に長熟タイプ。
2016年ヴィンテージは2015年の対極にあり、繊細でエレガントで、消費者が好むスタイル。
キレイな酸がしっかり存在し、ダイナミックなワインになったので、
2016年の白ワインは、ある程度長熟する2015年の白ワインよりも優れている、
2016年の赤ワインは2015年よりも飲む喜びを感じる。
ルイ・ジャド社では、ほぼ100%天然酵母で発酵させ、白ワインにおいては、リンゴ酸を残すために、マロラクティック発酵(MLF)を途中で止め、ミネラルに富むワインになるようにしています。
2016年は、白も赤もMLFがとてもゆっくり進み、白ワインはMLFの進行を80%でブロックしたため、ワインの中の酸を自然な形で残すことができました。
リンゴ酸は、ミネラル感だけでなく、より垂直に広がる、よりダイナミックで、より長熟な、よりイキイキしたワインになるのに欠かせないものだからです。
結果、2016年はアクセスしやすく、口の中に入れた時に、おいしいという喜びを感じる、バランスの取れたワイン、とのこと。
イメージ湧いてきたでしょうか?
という話を聞いた後で、2016年ヴィンテージバレルテイスティングを行ないました。
オリヴィエ・マスモンデ氏 ルイ・ジャド社 輸出部長
バレルとは樽のこと。昨年7月に、マスモンデ氏と醸造長らで熟成途中の1樽を選び、9月にもう一度チェックし、10月に瓶詰めしたボトルを持ってきたそうです。
まだ完成品ではないものの、およそ80%という状態なので、それなりの特徴がわかります。
白は2016年と2015年の比較(Beaune 1er Greves Le Clos Blanc Domaine Gagey)
赤は2016年と2014年の比較(Bourgogne Le Chapitre Domaine Gagey)
マスモンデさんの話の通り、白の2015年は骨格がしっかりとして太く、果実の厚みもあり、わかりやすいワインだと思いました。
2016年は、熟した果実の香りがありますが、若々しい酸があり、繊細でエレガント。フィネスを感じさせます。
赤の2016年も繊細なタッチで、デリケートな果実味と酸があり、軽やかですが、すでに複雑味もあり、長い余韻があります。
2014年はより熟したフルーツ感が濃厚で、ほんのりとしたタンニンも感じます。まだまだ若さがあり、清々しく、チャーミングなワインだと感じました。
2014年ヴィンテージに関しては、「とても寒かった年ということもあり、寒かった年は好まれない傾向にあるため、各誌の評価は高くなかったものの、酸がしっかり存在し、ピュアでクリスタル感のあるワイン」とマスモンデ氏の談。
2014年は酸がより固い状態にある。熟成の仕方が違ってくるだけで、後は各自の好み、と言っていましたが、まさにその通り。
ブルゴーニュは、誰がどう造っているか?が一番大事。
次はテロワール、3番目がヴィンテージ、だそうです。
難しい年でも、いいワインを造る人はいる。
いい畑、醸造設備を持っていても、能力のない人のワインはダメ、そういうことですね。
この後、いくつかの2016年を試飲しましたが、白ワインはすでに完成形に近いものが多く、マイナーなアペラシオンのものでも良い出来だと感じました。
コルトン・シャルルマーニュなどは、さすがに別格ですが、同じテロワールなのにお手頃価格のペルナン・ベルジュレスも出来がよく、お買い得だと思います。
赤ワインは、アペラシオンによってかなり状態が違います。
フェミニンなスタイルといわれるアペラシオンは、今からでも飲めそうで、優雅で上品。思わず笑顔になります。
骨太系のアペラシオンは、まだまだ途中段階にあり、将来に期待大です。
ルイ・ジャド社のバレルテイスティングは何回か参加していますが、年それぞれに特徴があり、興味深いです。
過去のリポートのリンクを張りますので、興味がある方は、ぜひご覧ください。
[参考]
■2015年バレルテイスティングリポート → コチラ
■2014年バレルテイスティングリポート → コチラ
■2013年バレルテイスティングリポート → コチラ