今週、フランスはローヌの M.シャプティエ社から、現当主ミシェル・シャプティエ氏の長女で、8代目になるゼネラル・マネージャーのマチルダ・シャプティエ氏が初来日し、セミナーを開催しました。
Mathilda Chapoutier M. Chapoutier(France)
ミシェル氏には2人の子供がいますが、娘であるマチルダさんが2009年よりワインの世界に入り、2015年にM.シャプティエグループに参加し、現在はグループ会社の責任者として活躍中です。
セミナーは 服部栄養専門学校 別館ANNEXEにて行なわれました
シャプティエは、ワイン生産者としては1808年創業ですが、その前の400年間は樽メーカーだったそうです。
ワイン生産者としての歴史は200年あまりですが、200年前から変わらないモットーは、「人事を尽くして天命を待つ」と、マチルダさんは言います。
シャプティエはローヌ最大級のビオディアミ生産者として知られています。
1991年よりビオディナミに転換をはじめ、現在は、550haの畑の約8割がビオディナミだといいます。
2009年には新しいワイナリーが完成しました。
コンセプトは、「環境保全型」。
年間1100万本を生産し(赤76%、白21%、ロゼ3%)、1500樽を貯蔵できるセラーも備わっています。
毎日楽しめるものから個性的なもの、特別なものまで、5つのレンジを生産。
多彩なラインナップの中から、今回はマルサンヌとシラーの単一品種のワインにフォーカスしてテイスティングを行ないました。
白は「クローズ・エルミタージュ・ブラン レ・メゾニエ 2016」(3800円、税抜)
「エルミタージュ ブラン シャンタルエット 2015」(9000円、同)
マルサンヌは、白や黄色の花や果物の印象のアロマがあり、口にすると舌触りがよく、ちょっとしたほろ苦さもあります。
「このほろ苦さが、長熟な白ワインになる」、とマチルダさん。
レ・メゾニエは親しみやすさがありますが、エルミタージュ ブラン シャンタルエットになると、香りを嗅いだだけで、ハッと目が開きます。アロマも味わいも複雑で、じんわりきます。さすがに素晴らしいです。
エルミタージュの丘を説明するマチルダさん
シラー100%の赤は、「クローズ・エルミタージュ・ルージュ レ・メゾニエ 2015」(3800円、同)
「コルナス レ・ザレーヌ 2014」(6400円、同)
「エルミタージュ ルージュ モニエ・ド・ラ・シズランヌ 2011」(12000円、同)
レ・メゾニエは若々しく豊かな果実味に溢れていますが、コルナスになると、スパイシーさや複雑味が加わり、しなやかでエレガントな味わいです。
そして、エルミタージュ ルージュ モニエ・ド・ラ・シズランヌともなると、さらに複雑味が増し、リコリスなどのニュアンスも加わり、エレガントですが、骨格にしっかりとした芯があります。
マチルダさんによると、クローズ・エルミタージュのシラーはフルーティーなシラーになるので、コンクリートタンクでベルベットの質感やフルーツをキープしているそうです。
コルナスの畑は砕かれた花崗岩の貧しい土壌で、酸やミネラルがストレートに出るタイプになるが、黒いフルーツ、スパイスのニュアンスがしっかりあり、より長熟に、25年以上の熟成も可能な赤ワインになると言います。
エルミタージュの畑はさまざまなタイプの土壌が混ざっており、熟成するにしたがって、だんだんとスパイスやスモーキーなニュアンスが出てくるそうです。
セミナーは英語でした。マチルダさんはシャプティエのアジア・アンバサダとして中国に3年間いたため、中国語もペラペラだそうです。次は日本語にもチャレンジしていただきたいですね
料理との相性では、
マルサンヌの白ワインは、白い肉、クリーミーなリゾット、スパイスを多用した料理など、
シラーの赤ワインは、肉、ソースを使った料理だけでなく、エレガントな料理にも合うそうです。
そこで、フードとシャプティエのワインのマッチングを試してほしいということで、
“パテ・アンクルート”が登場しました。
パテ・アンクルートはシャルキュトリ料理のひとつで、日本シャルキュトリ協会会長であるクリストフ・ポコさんが作ってくださいました。
クリストフ・ポコさんは、神楽坂のビストロ「ルグドゥノム ブション リヨネ」のオーナーシェフです。
ここは私も行ったことがありますが、まるでフランスにいるような雰囲気の店でした。
※店の紹介記事 → 料理編 / ワイン編
赤も白も合いますね~
今回パテ・アンクルートが登場したのは、「パテ・クルート」世界選手権のスポンサーをシャプティエが務めているからで、そのため、セミナー会場も服部栄養専門学校となりました。
そうそう、シャプティエで忘れてはいけないのは、ラベルの点字です。
点字の短縮版を発明したモーリス・モニエ・ド・ラ・シズランヌ氏は、かつてエルミタージュ畑「シズランヌ」の所有者でした。今回試飲した5番目のワインの畑です。
このシズランヌ氏に敬意を表し、ワイン名に「シズランヌ」の名を付け、シャプティエ社のすべてのワインのエチケットラベルに点字を導入しています。
シャプティエのワインを見かけたら、ぜひ点字の存在を確認してください。
現在、シャプティエ社は、フランスのローヌだけでなく、アルザスやルションといった別の地方や、また、海外(スペイン、ポルトガル、オーストラリアなど)にもワインの生産拠点を持っています。
「悪いテロワールは存在していない。理解していないだけ。土地を探し、ビオディナミなどによって改良し、ニッチなドメーヌを世界中で展開していきたい」というマチルダさん。
彼女の父のミッシェル氏はこの25年間でさまざまな偉業を成し遂げてしましたが、マチルダさんは何をしてくれるでしょうか?
今後の彼女の活躍に要注目です。
※輸入元:日本リカー株式会社
Mathilda Chapoutier M. Chapoutier(France)
ミシェル氏には2人の子供がいますが、娘であるマチルダさんが2009年よりワインの世界に入り、2015年にM.シャプティエグループに参加し、現在はグループ会社の責任者として活躍中です。
セミナーは 服部栄養専門学校 別館ANNEXEにて行なわれました
シャプティエは、ワイン生産者としては1808年創業ですが、その前の400年間は樽メーカーだったそうです。
ワイン生産者としての歴史は200年あまりですが、200年前から変わらないモットーは、「人事を尽くして天命を待つ」と、マチルダさんは言います。
シャプティエはローヌ最大級のビオディアミ生産者として知られています。
1991年よりビオディナミに転換をはじめ、現在は、550haの畑の約8割がビオディナミだといいます。
2009年には新しいワイナリーが完成しました。
コンセプトは、「環境保全型」。
年間1100万本を生産し(赤76%、白21%、ロゼ3%)、1500樽を貯蔵できるセラーも備わっています。
毎日楽しめるものから個性的なもの、特別なものまで、5つのレンジを生産。
多彩なラインナップの中から、今回はマルサンヌとシラーの単一品種のワインにフォーカスしてテイスティングを行ないました。
白は「クローズ・エルミタージュ・ブラン レ・メゾニエ 2016」(3800円、税抜)
「エルミタージュ ブラン シャンタルエット 2015」(9000円、同)
マルサンヌは、白や黄色の花や果物の印象のアロマがあり、口にすると舌触りがよく、ちょっとしたほろ苦さもあります。
「このほろ苦さが、長熟な白ワインになる」、とマチルダさん。
レ・メゾニエは親しみやすさがありますが、エルミタージュ ブラン シャンタルエットになると、香りを嗅いだだけで、ハッと目が開きます。アロマも味わいも複雑で、じんわりきます。さすがに素晴らしいです。
エルミタージュの丘を説明するマチルダさん
シラー100%の赤は、「クローズ・エルミタージュ・ルージュ レ・メゾニエ 2015」(3800円、同)
「コルナス レ・ザレーヌ 2014」(6400円、同)
「エルミタージュ ルージュ モニエ・ド・ラ・シズランヌ 2011」(12000円、同)
レ・メゾニエは若々しく豊かな果実味に溢れていますが、コルナスになると、スパイシーさや複雑味が加わり、しなやかでエレガントな味わいです。
そして、エルミタージュ ルージュ モニエ・ド・ラ・シズランヌともなると、さらに複雑味が増し、リコリスなどのニュアンスも加わり、エレガントですが、骨格にしっかりとした芯があります。
マチルダさんによると、クローズ・エルミタージュのシラーはフルーティーなシラーになるので、コンクリートタンクでベルベットの質感やフルーツをキープしているそうです。
コルナスの畑は砕かれた花崗岩の貧しい土壌で、酸やミネラルがストレートに出るタイプになるが、黒いフルーツ、スパイスのニュアンスがしっかりあり、より長熟に、25年以上の熟成も可能な赤ワインになると言います。
エルミタージュの畑はさまざまなタイプの土壌が混ざっており、熟成するにしたがって、だんだんとスパイスやスモーキーなニュアンスが出てくるそうです。
セミナーは英語でした。マチルダさんはシャプティエのアジア・アンバサダとして中国に3年間いたため、中国語もペラペラだそうです。次は日本語にもチャレンジしていただきたいですね
料理との相性では、
マルサンヌの白ワインは、白い肉、クリーミーなリゾット、スパイスを多用した料理など、
シラーの赤ワインは、肉、ソースを使った料理だけでなく、エレガントな料理にも合うそうです。
そこで、フードとシャプティエのワインのマッチングを試してほしいということで、
“パテ・アンクルート”が登場しました。
パテ・アンクルートはシャルキュトリ料理のひとつで、日本シャルキュトリ協会会長であるクリストフ・ポコさんが作ってくださいました。
クリストフ・ポコさんは、神楽坂のビストロ「ルグドゥノム ブション リヨネ」のオーナーシェフです。
ここは私も行ったことがありますが、まるでフランスにいるような雰囲気の店でした。
※店の紹介記事 → 料理編 / ワイン編
赤も白も合いますね~
今回パテ・アンクルートが登場したのは、「パテ・クルート」世界選手権のスポンサーをシャプティエが務めているからで、そのため、セミナー会場も服部栄養専門学校となりました。
そうそう、シャプティエで忘れてはいけないのは、ラベルの点字です。
点字の短縮版を発明したモーリス・モニエ・ド・ラ・シズランヌ氏は、かつてエルミタージュ畑「シズランヌ」の所有者でした。今回試飲した5番目のワインの畑です。
このシズランヌ氏に敬意を表し、ワイン名に「シズランヌ」の名を付け、シャプティエ社のすべてのワインのエチケットラベルに点字を導入しています。
シャプティエのワインを見かけたら、ぜひ点字の存在を確認してください。
現在、シャプティエ社は、フランスのローヌだけでなく、アルザスやルションといった別の地方や、また、海外(スペイン、ポルトガル、オーストラリアなど)にもワインの生産拠点を持っています。
「悪いテロワールは存在していない。理解していないだけ。土地を探し、ビオディナミなどによって改良し、ニッチなドメーヌを世界中で展開していきたい」というマチルダさん。
彼女の父のミッシェル氏はこの25年間でさまざまな偉業を成し遂げてしましたが、マチルダさんは何をしてくれるでしょうか?
今後の彼女の活躍に要注目です。
※輸入元:日本リカー株式会社