ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

テタンジェ唯一のドメーヌ・シャンパーニュ

2014-09-10 12:01:33 | ワイン&酒
9月2日に開催された「第48回ル・テタンジェ国際料理賞コンクール・ジャポン2014」に合わせ、来日していたクロヴィス・テタンジェ氏(シャンパーニュ テタンジェ社 取締役輸出部長、36歳)をホストに、ピーロート・ジャパン(株)によりプレス向けのレクチャーが開催されました。



レクチャーでは、ピーロート・ジャパン社がこの9月1日から販売する4アイテムを、クロヴィス氏が紹介してくれました。


左より)
Champagne Taittinger Les Folies de la Marquetterie NV
Champagne Taittinger Brut Millesime 2006
Champagne Taittinger Comtes de Ghampagne Blanc de Blancs 2005

Champagne Taittinger Comtes de Ghampagne Rose 2005

この中でもっとも私が気になったのは、Les Folies de la Marquetterie(レ・フォリ・ド・ラ・マルケットリー)でした。


Champagne Taittinger Les Folies de la Marquetterie NV

テタンジェの中で最も新しいシャンパーニュで、初リリースは2005年。
「レ・フォリ・ド・ラ・マルケットリーは、スペシャルでレアなもの」とクロヴィス氏。

マルケットリーは現存する城の名前で、“寄木細工”の意味。
テタンジェ社の本社はランスにありますが、マルケットリー城はエペルネに近い南のピエール村にあります。17世紀にはベネディクト派の修道士によりシャンパーニュ製法の秘訣の一部を発見した場所だともいわれています。

この城を囲むように、寄木細工の模様のように広がる畑が、“レ・フォリ”と呼ばれる単一畑で、テタンジェ家の所有する自社畑になります。つまり、このシャンパーニュは、テタンジェ唯一のドメーヌ・シャンパーニュなのです。
畑の広さは全体で12ha、そのうちセレクトした6haのブドウを使い、年間3~4万本を生産します。

ブドウの比率はシャルドネ45%、ピノ・ノワール55%で、面白いことに、フィールドブレンディング(同じ畑に2種以上のブドウを栽培すること)しています。この方法は歴史的に行われてきたもので、テタンジェでは、熟した度合いを見てブドウを収穫をしています。
「年によっても違い、ルールはなく、とにかく毎日ブドウを見ること」とクロヴィス氏。
ブドウは区画ごとに収穫し、区画ごとに醸造します。

醸造でもこのキュヴェはユニークで、テタンジェでは99%樽を使わないのに、これはオークの古樽を使用し30%)、5カ月間熟成させた後は、瓶内二次発酵を最低5年間行ないます。
また、より豊かなボディになるよう、タフなグリーンハーベストを行なっていますが、こうして収穫したブドウは古いオークの槽での発酵にも合うのだとか。

「伝統的な方法でつくるのは、シャンパーニュ テタンジェのルーツに貢献するため。
 レ・フォリ・ド・ラ・マルケットリーは、職人的、伝統的なシャンパーニュ」


さて、肝心の味わいですが、深みのあるゴールデンカラーに艶があり、泡立ちは非常に元気。酸がイキイキとして、フレッシュ感がありながら、深いコクがあります。これは料理に合いそうですね。特に、洗練された肉料理にピッタリくるでしょう。



右)Champagne Taittinger Brut Millesime 2006

ブリュット・ミレジメ2006 は、またキャラクターが異なります。
シャルドネ50%はグラン・クリュのもののみ、ピノ・ノワール50%は、ヴァレ・ド・ラ・マルヌのプルミエ・クリュのブドウを使用、最低でも6年間熟成させてから出荷されます。

味わいは、レ・フォリ・ド・ラ・マルケットリーよりもエレガントで軽やかなながら、熟成感のうまみもあり、じんわり染み込んできます。これも料理が進むシャンパーニュです。


左)Comtes de Ghampagne Blanc de Blancs 2005 右)Comtes de Ghampagne Rose 2005

コント・ド・シャンパーニュ ブラン・ド・ブラン は、テタンジェ社のトップキュヴェ。
グラン・クリュのシャルドネ100%で、最低でも8~10年は寝かせます。
2005年の前の最新ヴィンテージは 2002年 でしたが、現在は2005年に移行しています。
その次のヴィンテージ2006年は、もう間もなくリリースされるそうです。

より複雑なブーケで、舌触りもなめらかでしなやか。ふっくらやさしい口当たりで、口の中でまあるく広がります。
これはもう、完璧にガストロミー向けですね。上質な素材を使った料理に合わせたく、肉なら和牛をシンプルな調理方法で。

コント・ド・シャンパーニュ ロゼ は、30%のシャルドネと、70%のピノ・ノワールからつくられ、すべてグラン・クリュのブドウです。ピノ・ノワールのうち12%はブジィ産の赤ワインを使っているため、ワインの色が濃くなっています。瓶内二次発酵は最低でも7~8年。

赤ワインから来るチャーミングな赤いベリーの風味が印象的で、若々しくジューシーな味わいに魅了されました。これは素直においしく、スーッと飲めてしまいます。美しい色とともに、誰もが笑顔になるシャンパーニュです。かわいらしい甘酸っぱさは、特に女性に好まれること間違いなしでしょう。



左より、レ・フォリ、ミレジメ2006、コント白2005、コント・ロゼ2005
価格は、この順番で、9200円、8200円、18900円、24900円(すべて税込)




秋の食材とともにいただけたら最高!


(輸入元:ピーロート・ジャパン株式会社)


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