ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

FCバルセロナ イニエスタ選手の実家ワイン!

2016-02-13 10:00:00 | ワイン&酒
サッカーファンなら目を輝かせそうなワインを紹介します。

サッカー音痴の女性でも大丈夫です。
理由は読んでいけばわかります(笑)




FCバルセロナ所属アンドレス・イニエスタ選手が家族で経営するワイナリーがあります。

その名は、Bodega Iniesta ボデガ・イニエスタ」

昨年12月、ワイナリーの代表取締役アグスティン・ラサロ・カバニェーロ氏が来日し、イニエスタのワインを紹介してくれました。


アグスティン氏 -2000年からイニエスタに関わっています

1990年代、イニエスタ選手の父が、スペインのカスティーリャ・イ・ラ・マンチャ州マンチュエラ地方でブドウの植樹をはじめました。

当時はブドウ栽培のみでしたが、2010年に醸造設備が完成し、2010年ヴィンテージからボデガ・イニエスタの名前を付けたワインがリリースされました。

ボデガを持ち、ワイン造りをするのが、イニエスタ選手の若い頃からの夢だったそうです。


今回紹介してくれたのは、この2月に入荷予定の新商品を含むラインナップです。


左)Bodega Iniesta Finca El Carril Valeria 2013
右)Bodega Iniesta Finca El Carril Paolo Andrea 2012

イニエスタ選手の娘さんの名前を付けた「バレリア」は、シャルドネ67%にヴィオニエ33%をブレンドした白ワインです。
フレンチオークの新樽で発酵させています。
アロマが華やかですが、コクがあり、白桃やアプリコットのニュアンスがあり、フルーツのアロマは冷たくて、グレープフルーツのビターな感じもあります。冷たすぎるとNGですが、開いてくると、少しトロンとしたニュアンスが出てきます。それでいて酸はしっかりしています。
輸入元希望小売価格1598円(税込)

「パオロ・アンドレア」は、彼の息子さんの名を付けた赤ワインで、樹齢70~80年のボバル100%。フレンチオークと5%のアメリカンオークの新樽100%で12カ月熟成。
ボバルはタンニンが多い品種なので、樽熟させています。
このワインに使われるボバルは、父方と母方両方の祖父母が所有していた樹齢の高い自根の木で、最初に所有していた10haの古い畑に植えられています。

深く複雑なアロマがあり、よく熟したフルーツのふっくらジューシーな味わいがあります。果実味は弾けるようで、タンニン量がとても多く、キュッと引き締まる感じがあり、ボリュームたっぷり。
パオロ・アンドレアはイニエスタの最新ワインで、良年のみにつくられます。生産本数は15000本。日本へはこの2月に入荷予定で、予定価格は4000円(税込)。




どちらも、ワインの原産地呼称はDOマンチュエラになります。



DOマンチュエラは、スペインの東側、バレンシアから南西に位置し、車で1時間以内の距離にあり、現在約30のワイナリーがあるそうです。

イニエスタのあるフエンテアルビージャ村は、人口1800人の小さな村で、地中海と中央台地に挟まれ、また、二つの川にも挟まれています。

二つの川は、暑い時には地中海の涼しい風を吸い込むようになっているため、他のスペインのワイン産地よりも涼しいといいます。
地中海までの距離は約80km。

土壌はシルト、粘土が表土にあり(50cm)、下は石灰岩。

畑の標高は800m。
年間平均気温は12~16℃、平均雨量は400~600ml。
日照時間は2800時間。

春から夏は乾燥し、6~7月は雨が降りません。夏の日中は42℃まで暑くなりますが、夜は20℃まで下がります。
乾燥しているので、病気の心配がなく、ケミカルな薬剤は使う必要がないそうです。

イニエスタでは、剪定からブドウになるまで全ロットでトレサビリティ管理を行ない、可能な限り自然なワインづくりを行なっています。
ケミカルなものも使いません。しかし、前年の冬に雹が降り、他の栽培農家が防カビ剤を撒いたので、イニエスタのビオの承認が降りなかったそうです。また一からやり直し、とアグスティン氏は言います。

所有畑300haのうち170haでブドウ栽培を行なっています。すべて自社畑です。
白品種はソーヴィニヨン・ブラン(18ha、うち8haは若木のためワインに使用せず)、マカベオ(16.5ha)、ベルデホ(9.5ha)、モスカテル(5ha)、シャルドネ(5ha、うち3haは若木のためワインに使用せず)。
赤品種はテンプラニーリョ(38ha)、ボバル(30ha、うち13haは若木のためワインに使用せず)、シラー(15ha、うち5haは若木のためワインに使用せず)、カベルネ・ソーヴィニヨン(9ha)、グラシアーノ(9ha)、プティ・ヴェルド(8.5ha)。

私が非常に感心させられたのは、スタッフがすべてに地元マンチュエラの出身者ということです。
イニエスタ選手は、故郷の村が寂れているので、何とか活性化したいと思い、村の人をワイナリーで雇おうと思ったそうです。
現在、畑で25名、社内で25名、合計50名の地元出身スタッフがイニエスタで働いています。



ボデガ・イニエスタは2010年から始動し、2014年にはエクトル・マルティネス・ヒメネス氏を醸造責任者に招聘しました。エクトル氏も地元出身者で、数々のワイナリーでの経験を積んだ技術者です。
エクトル氏が加わったことで、さらなる飛躍が期待できそうですね。
海外への輸出は2013年から本格的に行ない(2015年の輸出比率は65%)、輸出先1位は日本、2位は中国、3位はドイツ。

イニエスタはラインナップの幅が広く、お手頃なレンジ(1000円程度)からあります。
また、ラベルのロゴデザインがハート型をモチーフにしていることもあって、女性に受けそうです。

下記のワインは、甘口タイプの白とロゼで、見た目がとてもキュート


Bodega Iniesta Dulce Corazon 2014 (モスカテル100%の甘口)

キャップの頭にもコルクにもハートマーク


Bodega Iniesta Dulce Corazon Rosato 2014 (ボバル100%の甘口)

ボバル100%のロゼはベリーのニュアンスがあり、酸とのバランスもよく、私のイチオシ!

どちらも1490円(税込)とお手軽です。

バレンタインの季節なので、プレゼントにちょうどいいのですが、これを男性に贈るよりも、男性から女性にプレゼントする方がしっくりすると思います(笑)
覚えておくとお役立ちなワインです。

(輸入元:ワインキュレーション)

コメント
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