ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

ユニオン・デ・グラン・クリュ・ド・ボルドー2012年ヴィンテージ紹介

2015-12-01 09:00:00 | ワイン&酒
先週、フランスのボルドー地方の団体「ユニオン・デ・グラン・クリュ・ド・ボルドー」98シャトーが来日し、東京で試飲会が開催されました。

ユニオン・デ・グラン・クリュ・ド・ボルドー -Union des Grands Crus de Bordeaux- は、ボルドーを代表するアペラシオンのシャトーや格付けシャトーなど、134の加盟シャトーでメンバー構成されている団体で、1973年に創立しました。

メンバーシャトーを見てみると、錚々たる名前が並びます。
今回、彼らは最新ヴィンテージ2012年のワインを紹介してくれました。
                             


「辛口白ワインはエレガントできれいな酸味をもつ非常によい出来であり、
赤ワインは深みある色合い、果実味、凝縮し、シルキーなメルロ、
最上のテロワールで夏の乾燥に耐え、育ったカベルネ・ソーヴィニヨンとカベルネ・フランは良い出来となり、
ソーテルヌ&バルサックの甘口白ワインの量は少ないがバランスに優れる」


(ボルドー大学/栽培・醸造科学研究所が2013年春に発表したコメント)

さて、実際に試飲してみると・・・



グラーヴとペサック=レオニャンの辛口白ワインについては、果実味が豊かで、酸もしっかりあるものが多かったですが、中には少々ヒネた感じのもの(ボトルの状態が悪かった?)、樽の風味がちょっとだけ気になるものもありました。
要は、シャトーによる、ってことなのですが。
アルコール度数が高くなるというソーヴィニヨン・グリを少量ブレンドしているところも見られます。





赤ワインに関しては、飲みやすく、親しみやすいものが多いように感じました。




2012年はメルロが良さそうなので、サン=テミリオンポムロルはまろやかでバランスが良いものが多く見られます。


サン=テミリオン 安定しています


タンニン量は多いけれどなめらか


リストラック=メドックムーリス=アン=メドックの中にいいものを見つけました。
2012年は親しみやすいヴィンテージであり、早くから楽しめることを考えると、こうしたアペラシオンも看過できません。



Ch. Clarkeは素晴らしい出来、Ch.Fourcas Hosten、Ch.Poujeauxも良かったです




マルゴーはエレガントでバランスがいいものが多く見られました。
Ch. Durfort-Vivensは骨格がカッチリして長熟しそうな感じで期待できそう(画像なし)

サン=ジュリアンもバランスよく、しなやかで飲みやすいものが多いように思いました。
サン=テステフはソフトでエレガント。ここもやはりバランスがいいですね。



アペラシオンらしさを一番出しているのはポイヤックかもしれません。
タンニンがキレイで、キュッと引き締まる気品を感じるものがあります。
Ch. d'Armaihacはまろやかで今からおいしく飲めますが、Ch. Clerc Milonは引き締まり、ポイヤックさをより感じさせてくれました(画像なし)



限られた時間なので全シャトーを飲むことはできませんでしたが、プレスとインポーターは1時間早く入場させてもらえたので、例年よりは落ち着いた状態で試飲、取材できたのは良かったです。
                               
毎年大人気のこの試飲会ですが、今回は853名が来場しました。

コメント
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