ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

イケメン兄弟は白ワインのスペシャリスト!

2011-09-20 21:53:47 | ワイン&酒
お彼岸に入り、ようやく涼しくなってきました。
暑かろうが、涼しかろうが、寒かろうが、季節にかかわらず私がプライベートでよく飲むのは白ワインです。

かつては、ワインといえば赤!という人が多かったと思いますが、このところは食のライト志向もあり、白ワインを好む人も増えてきたのではないでしょうか?

そんな白ワイン派の方にオススメしたいのが、白ワイン専門ワイナリーである
Domaine du Tariquet (ドメーヌ・デュ・タリケ)です



フランスは南西地方、アルマニャック(ブランデー)の生産地 Bas-Armagnacに位置する家族経営のワイナリーです。

土地を購入したのは1909年といいますから、100年以上の歴史があります。
が、ドメーヌ・デュ・タリケとしてワインをリリースしたのは1982年。
1975年までは、アルマニャックのブランデーのみを生産していました。

バ・アルマニャックでは、ユニ・ブラン種(=サンテミリオン種)やコロンバール種からブランデーがつくられています。

ユニ・ブランは病気に強く、蒸留に適した品種で、それゆえ非常に広く栽培されていますが(コニャック地方に至っては95%)、ワインにすると、酸が高く、エキス分やアルコール分の低いものになってしまいます。

コロンバールは、アルコールは高くなるものの酸が低く、単独ではバランスの欠けたつまらないワインになってしまうので、ブレンド用に(ボルドーの白ワインなどにも)よく使われています。

それゆえ、アルマニャックは地酒ワインがつくられる田舎のと認識され、人々は畑で1リットルも2リットルもガブ飲みしていたとか。

このような土地で、どこまでいい白ワインをつくれるのか?と悩んだ時、
完熟ブドウを使うことで、糖度、アルコール度の高いワインをつくろう! と考えたことから、タリケの新しいワインづくりが始まりました。

ブドウが完熟するまで待つ だけでなく、収穫から醸造まで酸素を遮断するよう、タンクに詰めるなど、醸造所でやってきたことを畑で行うようにしました。
こうすることで、ブドウの香りもフレッシュさも保たれるからです。

また、出荷までは-3℃のタンクの中でワインを保管し、オーダーの度に瓶詰めしてから出荷をする徹底ぶり。これも、ワインのフレッシュさを保つためといいます。

その努力の甲斐あって、リリースした1982年ヴィンテージはモンペリエのテーブルワインコンクールで優勝し、翌年、翌々年も優勝、その後もさまざまなコンクールで受賞する常連となりました。



現在、タリケでは9つの白ワインの他、ロゼワイン1アイテムを生産しています

この辺りはガスコーニュ地方(Gascony)と呼ばれ、タリケでつくるワインはすべて、
Vin de Pays des Cotes de Gascogne になります。



左) Tariquet CLASSIC 2010  右)COTE Tariquet 2010

クラッシックはユニ・ブラン70%&コロンバール30%。
タリケのベーシックワインで、ソーヴィニヨンは入っていないのに、ソーヴィニヨン的なハーブの風味を感じます。酸が非常に爽やかで、果実味とのバランスもグッド。アルコール11%とライトで、これはデイリーワインにしたいほどイイ感じで好きです
和食にも合うと思います。

コテシャルドネとソーヴィニヨン各50%で、直接混ぜて発酵させています。タンクが大きいのに、収穫量が少ないことから生まれたワインとのこと。
果実味のコク、ミネラル感、しっかりした酸味があり、ソーヴィニヨンの風味とシャルドネのまろやかさのバランスは良好で、ガストロノミーにもピッタリ。現地では豚肉やアヒルなど(ガスコーニュ料理)によく合わせているとか。



Sauvignon Blanc 2010  

ソーヴィニヨン・ブランは100%。アロマは思ったよりもソフトでフローラル。
果実味がクリーンで、酸はしっかりし、そこそこのボリューム感で飲みやすい!
日本市場では、このソーヴィニヨンが超人気とか。わかるような気がします。



Les Dernieres Grives 2009

レ・デルニエール・グリーヴは、プティ・マンサン100%の甘口ワインです。
完熟した遅摘みブドウからつくられ、発酵の途中で冷却し、酸と甘みを残します。アルコールは11.5%。
酸がしっかりしているので、酸味のあるフルーツを使ったデザート(ジェラートもOK)がオススメ。



Rose de Pressee 2010

メルロ30%、カベルネ・フラン30%、シラー25%、タナ15%からつくられる、タリケ唯一の白以外のワインです。
このロゼ、本当に色が美しい!骨格がしっかりし、酸味も果実味も充分。キリリと冷やしてアペリティフに、少し温度が上がってくるとまろみが出てきますので、食事にも合わせられると思います。



Tariqet Bas-Armagnac 15年

タリケを語るのに、アルマニャックは外せません。
フォルブランシュ種100%で、ブドウは手摘み。伝統的なアランビックと呼ばれる半連続蒸留器を使ってつくられます。
ブランデーなのでアルコール度数はもちろん高いですが、メロウな甘い口当たりで、これはスーッと飲めてしまいました。ショコラとのマリアージュは、うっとりするくらい甘美。これはかなり危険(笑)



現在のタリケは、3代目となるアーミン(栽培、醸造担当)とレミー(アカウント、マーケティング担当)のイケメン兄弟が引継いでいます。
(ようやくイケメンが出てきました)(笑)



この秋、タリケのワインには、アーミン&レミーのボトルネッカーがかけられるようですので、ぜひ店頭でチェックしてみてくださいね

白ワインなら俺たちにまかせろ!  とは、男気があって、ステキです(笑)

高品質なのにお値段手頃なのも嬉しい限りで、
白ワイン好きにはぜひオススメしたい造り手です


(輸入元:株式会社アグリ)
コメント (2)
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