拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

火災保険/漱石は華族と金持ちがお嫌い?

2024-05-31 13:05:18 | 日記

寅子が憲法14条を読んだ中に「(前略)門地によって(中略)差別されない」って部分があった。そう、だから門がない、又は小さいからと言って人は差別されないし、地面(庭)が猫の額であっても差別されないのである。

だが、人は立派な門が欲しいのであろうか。近所に、普通の家で庭も私の奥地の家とどっこいくらいなのに門だけやたらに立派(屋根付き)なお宅があった。

なお、都会のマンションの敷地は居住者の共有(例えば100戸のマンションなら100人の共有)だから、各人が土地について有する資産価値はうんと小さくなり、その結果固定資産税の土地分も小額になるのだが、私の場合、なんと、現住所のマンションの固定資産税は奥地の家(曲がりなりにも一戸建て)のそれよりも高い。私の現住所は23区の中でも最も地価の安い地域であり、建物だって築40年でほぼ無価値であるにもかかわらず、である。どんだけ奥地が安いか、ということである。

そんな奥地であるが、ガスも引いたことだし、このたび火災保険を付けた。全ての手続をネットでできる会社があったのでそこと契約した。登記事項証明書(登記簿謄本)くらいは現物を郵送するのかな?と思ったら、それすらもデータ送信で間に合い、完全にネットだけで手続が完了した。保険金額(火事のときもらえる金額)は、売買代金を元に算出する方法もあったのだが、それだと私の場合ただ同前なので参考にならない。なので、平米数から算出する建築代金を元にした。すると約1500万円であった。そうか、新築するとしたら1500万円くらいか……まあ、全焼してしまったら仕方がないが、そうでない限り、今の建物にがんばってもらうつもりである。雨が漏ったら洗面器を置くつもりである。

憲法14条には続きがあって、「華族その他貴族の制度はこれを認めない」とある。寅子の勉強仲間に華族のご令嬢がいたが、あの人はどうなったのだろう?華族と言えば、夏目漱石は、金持ちと華族が大嫌いだったようで、小説にその悪口がよく登場する。金持ちと華族がお金と地位にモノを言わせて学問の分野にまで口を出してくるのが気に入らなかったようだ。かと言って、平等主義ってわけでもなさそうで、こと学問については自分達の領分なのだから他の人は入ってくるな、といかにも上から目線である。特に、車屋と下女については上から目線も極まれり、である。因みに、漱石はその随筆に「播州の岩崎という人に不愉快な思いをさせられた」と書き、岩崎某との間に起きた事を細かく書いている。「仮名」ともなんとも断ってないから実名なのだろう。実名でよくこんなことを書くなー、と思ったのだが、一つ思い当たった。漱石は当時の金持ちの代表として「三井、岩崎」の名を挙げている。「岩崎(弥太郎)」は今の三菱である。漱石を不愉快にさせた岩崎某は財閥の岩崎とはなんの関係もないが、「岩崎」の名前から金持ちの財閥を連想して、それがきらいなものだから「不愉快な想い出」を書くに至ったのではないか、と勘ぐったワタクシもなかなかの下司である。