拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

奥地のイタリアン

2024-05-06 13:58:43 | グルメ

奥地の家のガスコンロの記念すべき最初の実用運転に供されたのはカップ麺。いえね、せめて袋麺にしようと思ったんだけど、ラーメン丼がない。そこで、カップ麺の麺をカップからとり出して鍋で茹でて(じゃないとコンロの出る幕がない)、

茹であがりを元々入っていたカップに移して食したのであった。

時代は断捨離、マイ・ブームも断捨離、新たに物を買いたくない。だから、奥地の家には現住所で戦力外通告を受けた物達をせっせと運んでるんだけど、ラーメン丼は現住所に一個しかないから買わないわけにはいかないか。その点、フライパンはたくさんある。しかも、すべてが現役バリバリ(場合に応じて使いわけている)。だから、どれを持っていこうか悩むところ。フライパンを持ってくんだったら油もいる。瓶入りのオリーブオイルが数本あるから一本持っていこう。

せっせとどうやって運んでいるかと言えば、リュックに入れて電車で片道3時間かけて。車があればいっぺんに運べるのだけど、ペーパードライバー歴40年じゃ運転は無謀。だから、車はない。なのに奥地の家には駐車場がある。これぞ宝の持ち腐れ。でも、もし自家用車があったら、将来現れるかもしれないお友達が車で来たとき駐められない。先日も、工事に来たガス会社さんの車を路上駐車させないで済んだのは駐車場が空いてるからだ。そんな私が免許証を返上しないのは、将来、完全自動運転の車ができたときのことを思ってである。

車と言えば、奥地の家からさらに奥地に30分歩いたところにイタリアンがある。この間、初めて行ってきた。お店のHPには、「某駅から車で○分」とあって、「徒歩30分」とは決して書いてない。歩いていく客など私をおいてはいないのだろう。だから、ワインを頼んだ私に「お帰りは大丈夫なのですね?」と聞いてきた。車を運転しないのですね?ということだ。おおえばりで「ナチューリッヒ」と答えたら「失礼しました」と返ってきた。別に失礼されてないけど。で、注文したのはワインのボトルのほか、マルゲリータ・ピザ。

初めて行くイタリアンでマルゲリータ・ピザを頼むのが私の決まり事である。この店、敷地も店内も広くてゆったりしてる。

奥地の家の地価がタダ同然なのだから、このへんはほぼタダなのだろう(タダ同然>ほぼタダ)。おかげで大層くつろげる。もし、往復1時間歩く脚力と元気のある人がいらしたらご一緒しませう!

「くるま」と言えば現代では自動車のことを指すが、漱石の小説で「くるま」と言ったら人力車である。だから、漢字は「俥」である。にんべんが付いてるところが人力を表している。人力車は今でも浅草や京都では街中を闊歩しているが、奥地にはない。だから、このお店に車で行けても俥では行けない。私は、俥で行かないのはもちろん、車でも行かない(行けない)。だが、行き帰りを奥地の山々を見ながら歩くのは格別である。

決して強がりではない。あと一か月くらいして日が一番長い頃になれば、帰り道、この山々が夕焼けに染まる時間帯に当たるはずである。