拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

JレノンとHシュッツの和音進行が同じだった件

2024-05-23 07:00:03 | 音楽

横野好夫です。拝島さんがボクシング映画のことを書いてたけど、私は、サイモンとガーファンクルの歌では「ボクサー」が一番好きでときどき聴く。

ついでに言うと、ABBA(二番目のBをどうやってひっくり返したらいいんだろう?)で一番好きなのは「Thank you for the music」なんだけど、オリジナルではなくて、映画「マンマ・ミーア」のエンド・クレジットでシックなピアノ伴奏に乗ってアマンダ・セイフライドがソロで歌うヴァージョン。

もっとついでに言うと、ビートルズで一番好きなのは、実質的にはジョン・レノンの曲の「I am the walrus」(俺はセイウチ)。一見(一聴)奇っ怪な曲なんだけど、多くのミュージシャンを刺激するらしく、世の中はこの曲のカバーで満ちあふれている。オリジナルと同様に弦やホルンを入れている演奏も多い。みんな楽しそうに演奏してます。

で、なんで、この曲が奇っ怪に聞こえるか、というと、まず歌詞が奇妙きてれつ。それから音楽面もコード進行が普通じゃない。全音でコードが移行する。例えば、さわりで「I am the walrus」と歌う箇所は、

ハ長調→ニ長調(♯がいきなり二つ増える)→ホ長調(さらに二つ増えて四つになる)って具合。こういう和音進行はない(階段の二段跳びを二回連続するごとし)……と思ったらあった。ビートルズから遡ること300年以上、教会音楽を書いたハインリヒ・シュッツの「Das ist je gewißlich wahr」(それはたしかなまこと)のエンディングに近い箇所に同じ進行があった。

そうそう、某会でこの曲をみんなで歌ったとき、「こんな和音進行、他にないよ」と言ったものだ。でも、あった。それがジョン・レノンだったわけ。ジョンもシュッツも孤高の人だと思ったらえらく遠くに仲間がいたって感じ。シュッツほどドイツ語の歌詞と音楽がぴったり融合している例はない、と言われるけど、ジョン・レノンも、奇妙きてれつな歌詞と音楽がぴったり融合。この歌詞にポールのイエスタデイのメロディーは合いませんからねー。

以上のことに思い至った昨夜の私は狂喜乱舞。早速、拝島さんに頼んで今ここに書かせてもらった次第です。拝島さんは、ホントは園芸のことを書きたかったらしんだけどね。でも、私のこの喜びを共に分かち合える人って、ビートルズとシュッツのどっちも聴く人だと思うんだけど、いったい、この世の中にそんな奇妙きてれつな人がどのくらいいるんだろうか……