拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

「バラバム」「バラバム」「バラバム」とバラバラに言うシュッツ

2017-06-13 17:02:48 | 音楽
ゴミに息を吹きかけるのは斉藤由貴さんだけではなかった。知人のピアニスティンのHさんがドイツの音大に留学していたときのこと、仲良しのギタリスティンのSさんと屋外でご飯を食べていたら、Sさんのお皿にごみが。「あ~ん、○○ちゃん、どうしよう」と言うとHさんがゴミにふっと息を吹きかけてふっとばし「ほら、これで大丈夫」。見事に「なかったことにした」そうだ(Sさんから聞いた話)。なるほど、このくらいでないと、あの豪快(かつ繊細)な演奏はできないってことだ。話は変わって。シュッツの音取りは慣れないと難しいという。予想がつかないというのだ。たしかに、古典派以降の調性音楽とは趣きが違う。調性音楽では、ときどきフェイントがあるとしても、大体、うろころするうちに基調に戻ってくる。Rシュトラウスなど急に半音低い調に転調してびっくりさせるが(回転のおかしいレコードプレイヤー的効果)、すぐ元に戻る。街中をほっつき歩いてても夜になると家に帰ってくる猫のようだ(因みに、うちの猫は100%家猫。それがヴォランティアさんとの約束)。もちろん転調はあるが、転調したらしばらくは転調後の調がきっちり支配する。引越は意を決してするわけだ。それに対し、シュッツはどうだ。例えば「Das ist gewißlich wahr」のサビの部分などバスがドレミファソと昇っていくのだが、それが全部基音。つまり、ハ長調(調号なし)、ニ長調(♯二つ)、ホ短調(♯一つ)、ヘ長調(♭一つ)、ト長調(♯一つ)という転調を二小節ごとにやるわけだ。かばん一つでどんどん引越をする感じ。あるいは異次元へのワープを繰り返す感じ。こうしたシュッツを歌う会を月1回やっている。なかなかぴたーっとはいかないが、はまるとなんとも言えない恍惚感に満たされる。1回の練習で数曲を歌うのだが(シュッツだけではなく最近はブクステフーデやシャインも歌っている)、その中にシュッツのマタイ受難曲もあって、毎回ちびりちびりと歌い進めていて、ようやく民衆が「バラバム」と叫ぶところまできた。なじみの深いバッハとの比較も面白い。バッハのマタイでは「バーーーーーラバム」と一声。それに対してシュッツのは「バラバム」「バラバム」「バラバム」とバラバラ(このダジャレを言いたかったわけではない)。さて、異次元へのワープといえば、子供の頃、「タイムトンネル」というアメリカ製のテレビドラマがあって、NHKで放送していた。タイムマシンでいろんな時代に人を送るという話。しましまのトンネルがタイムマシンだった。

「ふっ」と息を吹きかける♥……ゴミに。

2017-06-13 09:10:08 | 日記
斉藤由貴さんは、床をお掃除していて、ゴミがすみっこにおいやられてとりきりないとき、「ふっ」と息を吹きかけるそうだ。私、そうやってゴミをとれる範囲に引き戻すのかと思ったら「なかったことにする」ためだそうだ。「なかったことにする」……奥が深い言葉だ。夫婦げんかが減るかもしれない。マルシャリン(バラの騎士)は、若いツバメとの数え切れないアヴァンテュールを「なかったことに」してきたのだろう。さて、斉藤由貴さんが出演していた「アサイチ」ではフローリンワイパーの賢い使い方も紹介。しかし、根本的なところが私と違う。世の人々は、ワイパーの先端にシート(乾いたもの又は濡れたもの)を取り付けるようだが、使い捨てでもったいない。私はぞうきんを付けていて、汚れがひどくなったら洗う。母んとこのワイパーに何も付いていなかったので、わざわざ私んとこからぞうきんを持って行って付けてやった。ところが、次に行ったらまた付いてない。どうやら一回使ってシートの気分で捨ててしまったようだ。もったいない。どころじゃない。誰のぞうきんだと思ってんのさ(怒)。因みに、汚くて決して他人を上げられない家に住んでいる私であるが(そうでなければパーティーでお手製の料理でおもてなしをしたいところ)、これでもお掃除家電には興味があって、通販で随分買った。だがどうにも活用できない。アメリカ製の充電式のスティック型掃除機は、音だけ大きいが信じられないほどすわなかった(10年以上前の話。今では性能アップ?)。スチームクリーナーは異なる機種を二台買ったがどっちも活用できてない。ので、もう買うのはやめた。「あさいち」で誰かが「断捨離するよりいらないものを買わない」=「欲を捨てる」と言っていた。至言だ。因みに、現在の私のお掃除についての信条=四角い部屋は丸く掃く。私んとこは狭い空間が物であふれかえっている。だから、仮にルンバがあっても30センチも動けないだろう。そういう環境で「四角い部屋を四角く掃」こうとしたら一切掃除を断念することになる。だから。