拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

声変わり(大人になってからの)

2017-06-21 08:41:03 | 音楽
大昔は男声パートを歌っていた。最近も、テナーやバスがいないと臨時に歌っていた。本意ではないのだが、「いーじまさん(くん)はオールマイティだから」とか言われるとまんざらでもなく、ついなんとかが木に登ってしまっていた。だが、最近、まじに男声が出なくなった。だから、テノールが払底している某合唱団でも、当初は私を見るみんなの顔に「テナーを歌え」と書いてあったのだが、最近は「テナーを歌うな」と書いてある。私にとっては大変よい状況。ところがだ。まるでレ・ミゼラブルのジャヴェール警部みたいに私を追ってくる旧知の仲の方がいて、いくら「だんなぁ、かんべんしてくだせぇ、おらぁ、昔のおらじゃねえだ。改心して娑婆(アルト)で全うに暮らしてんでさぁ。もう金庫も開けられねぇ(男の声は出せない)」と言っても「いや、お前は昔男だった」とささやく。あるいは、ドン・ジョヴァンニを追っかけては回りに「この人、昔エロだったのよ」と言いまくるドンナ・エルヴィーラのよう。とか書いてたら、某さんからメッセージ。次の本番で、一箇所テナーが高い所を手伝ってくれ、という内容。ああ、そんなのはお安い御用(いや、お高い御用だ。ジョッキ一杯)。一箇所だけだし、そもそも、ルネサンスのジョスカン・デ・プレはアルトもテナーも似たようなものだ(アルトは低くてテナーは高い)。因みに、「もう金庫も開けられねぇ」と書いたのは、昔観たアニメで、元銀行ギャングのチビ太(改心して娑婆に戻っている)を、イヤミの刑事が執拗に追っかけた回を思い出したから(登場人物からいうとおそ松くんだが、なぜかもーれつア太郎の記憶がある)。これ、今から思うとレ・ミゼラブルへのオマージュだよな(ではなくて、Oヘンリーの短編小説だそうです。コメントをいただきました)。で、最後に、金庫に間違って閉じ込められた女の子を救うためにチビ太が自らの戒めを破って解錠してイヤミの刑事にお縄にしてくれと言わんばかりに手を差し出すと、イヤミの刑事が「あんたなんか知らないざんす」と言うのだが、そもそも、子供を救うために金庫破りをしても罪になるはずはない、と子供心に思った(今も思ってる)。