暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

京都へ家うつり (1)

2012年01月08日 | 京都へ家うつりします
新春になって町家の賃貸契約が成立しました。
「バンザーイ!」 

最初に見に行ったのが11月23日
諸費用を払い込んで契約成立が1月初旬、思いがけない早さで決まりました。
いざ契約となると、いろいろ面倒な手続きや確認事項がありましたが、
不動産屋のHさんが誠実に迅速に対応してくださって、とても安心感がありました。

もっと良い条件の町家物件があるかもしれませんが、
いつご縁があるのかわかりませんし、
「ここに住んでお茶してみたい」という感覚を大事にして決断しました。

住む家が決まったので、暮らし方をシュミレーションしたり、
持っていく物、整理するものの仕分けをぼちぼち始めています。

今住んでいる家は、用途によって部屋が分かれていますが
町家では、二間の和室(四畳半)が居間、食堂、寝室、客間であり、
茶室にも使います。
狭い空間を変幻自在に使いこなすには家具を置かないこと、
暮らしや茶事をスリムにすることですが・・・一番苦手かも。

                 
                      (宇治平等院 阿弥陀堂)

だいぶ前の四国遍路の時のことです.
歩き遍路だったので 
「どこまで荷物を減らすことができるか」が大きな課題でした。

最初、思いつくまま(2回目の遍路なのに・・)リュックに詰めたら、
10キロオーバーになり、あわてて8キロ以下に減らしました。
着替えを減らし、地図や本をバラバラにし、雨具の軽量化など。
献茶のための茶箱があって、それ以上は減らせませんでした・・・。

背中の荷物の重さは「現世の欲望の重さ」だそうです。

京都への荷物の選別とその重さ、嬉しいような、悩ましいような・・・
隠された欲望と悪戦苦闘しそうな予感がします。
桜の咲く前、3月中旬には引っ越したいなぁ~。
                              

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壬辰(2012年)の初釜

2012年01月07日 | 稽古忘備録
イベント続きで投稿が遅くなりましたが、
1月6日は壬辰(2012年)の初釜でした・・・。

小田急相模原駅から徒歩10分ほどの水車園で行われ、
水屋を仰せつかりました。
・・・それで、席中の様子を詳しく書けませんので、
記録として写真を掲載します。

                
                
8時集合、水車園は初めてです。玄関入口に水車がまわっていました。

                
                     (武具の展示場)

二階に展示場があり、鎧、兜、甲冑、武具などが展示されています。
私一人でしたので、甲冑を着た武士たちに囲まれて、不気味でした。

                
                  

先生が広間の床の飾りつけをなさいました。
宗峰妙超(大燈国師)墨蹟「梅渓号」です。
もちろん、本物は五島美術館にあり工芸品ですが、
堂々とあたりを祓う気迫を感じます。
青々たる結び柳や俵の三方飾りが新年の慶びを表わしていました。
花は、先生ご丹精の大神楽(椿)とうぐいす蔓、花入は龍耳青磁です。

初釜の次第は次のようでした。
広間へ席入後、及台子を使い、Kさんが台子炭手前をします。
その後、新年のご挨拶を全員で交わします。
縁高を運び、花びら餅を味わって頂いてから、先生が台子・濃茶点前をなさいます。
嶋台を使って二椀を先生が煉り、半東(Kさん)が取り次ぎます。
もう一碗(五人分)を頃合いを計って水屋で練ります。
席中へこの濃茶をお持ちし、末席へKさんと座って、濃茶を頂きます。
濃茶は上林の遊亀(ゆうき)の昔です。

                

濃茶が終わると、恒例のおたのしみの辻占いと福引です。
それから別室でお屠蘇と祝膳を頂きます。
食後の薄茶は員茶(かずちゃ)之式で、Kさんが亭主、私が札元をつとめます。
員茶が始まる前に、湯と炭を足し、十種香札、煙草盆と干菓子の用意をします。

先生から嶋台をしっかり温めておくように指示がありました。
先生に花びら餅の向き(家元はゴボウが手前だそうですが・・)と、
14本の黒文字の置き方(縁高へ)をお尋ねしておかなくては・・・。
水屋を担当すると、わかっていないことがよくわかり、良い勉強になります。

あっ! お客さまや先輩方がいらしたようです。
桜湯を用意しなくてはなりませんので、これにて失礼いたします。

                              

                   

古都  町家探訪(5)

2012年01月06日 | 京都へ家うつりします
今日は小寒、お寒いですね。
こんな時に何ですが、散歩道の畑で見た厚い氷です。

正月休みで、掲載が遅くなりましたが、
「古都 町家探訪(4)」のつづきです。
 
設計士さんや大工さんとの改修箇所の打ち合わせが終わり、
冷え切った身体で、大家さんへお暇の挨拶へ伺うと
「寒かったでしょう? どうぞ、熱いお茶でも・・」と言われました。
「ありがとうございます。折角ですので寄らせていただきます」と主人と私。

ところが、不動産屋Hさんは
「私は用事がありますので、これで・・・」と言うではありませんか。
「ひょっとして、これが名高い京都のぶぶづけ?」
ぶぶづけ神話が頭を横切りました。

ぶぶづけとは京言葉で茶漬けのことで、
京都で他人の家を訪問した時に
「ぶぶつけでもいかがどすか?」
と勧められても、決して上り込んだり食べたりしてはいけない!
・・・と、京都に住んだことがある友人たちから幾度も聞かされていました。
それは暗に帰宅を促している言葉だそうです。

でも、「ぶぶづけ」ではなく、「熱いお茶」だったし、
はるばる京都まで来たのですから大家さんと少しお話しできたらと思いました。
暖かい座敷に通されて、熱いお茶を頂戴しました・・・

極寒の茶事ではありませんが、暖かさが何よりのご馳走です。
ストーブと大家さんとの会話にすっかり心も身体も温められて、お暇しました。
その日は友人宅へも寄らず、京都から日帰りしました。

               

・・・ところが、町家のことで気になっていることがありました。
翌朝になって、先に主人から言い出されて、びっくり。
一晩中(?)、二人とも同じことを考えていたのです。

それは東側のガラス戸のことでした。
カーテンを付けることで大家さんの了解済みでしたが、
できたら敷居を新設して、内側に障子戸、
外側にガラス戸と網戸をつけたいと思いました。
冬になれば、さらにカーテンが必要かもしれません。

結局、この件は工事をするとしても私たちが負担することになり、
どのようにしたら良いか、住みながら考えることにしました。
「住みながら考える」
初めて京都で町家に住む私たちにはきっと時間が必要なのでしょう。
             
                          
     
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辰年の温故知新

2012年01月04日 | 閑話休題
元旦に近くの三嶋神社と春の木神明社へ出かけました。
鈴を鳴らして、一年の無事息災を祈りました。

今年は息子たちの帰宅が元日夜とのことで、夫婦二人の静かな元旦でした。
そのかわり(?)4日まで嬉しい悲鳴です・・・。

3月に京都へ家うつりするので、少しずつ荷物を整理しています。
古い稽古用のノートが出てきました。
捨てようと思い、その前に何が書いてあるかと開いてみると、

   今年中に百日茶道に取り組むこと
   茶事十回をふくむこと


最初に書かれていました。

第1回は、「炉 初炭 濃茶平点前 薄茶平点前」とあり、
4月18日から始まっています。
茶事の第一回は稽古茶事で、五事式(水屋、見学)とありました。

最初の一頁を読んだだけで、その当時の自分の心意気や
稽古や茶事に通っていた教室のことが走馬灯のように駆け巡ります。

稽古内容、特に出来ていない箇所、扱いの要点などが書かれたノートは
「93回 12月2日
 大学で稽古  濃茶平点前(HさんとKさん)と割稽古(Mさん)を指導」
で最後の頁となり終わっていました。
たしか、百回茶道(稽古)は達成しましたが、茶事十回は達成できませんでした。

でもね・・・「それでも、いいじゃん!」と思います。
何ができて何ができなかった・・・を考えることが大切のように思いました。
茶事クロスロードもいろいろなことを考えるきっかけであり、
忘備録であり、もう少し続けていきたいと思っています。

昨年同様、アドバイスして頂いた事項を忘れずに精進したいと思っています。、

  一、やり遂げたいことがあったら 必ず叶うので努力すること。
    努力なしには叶いません・・・。
  一、人との出会い、物との出会いを大切にして、丁寧に生きること。
  一、今は自分から働きかけることはなるべく謹んで、
    人から頼まれたことは精一杯応じなさい。
  一、茶道は大いにやるべし。自分の茶の湯を心がけること。

辰年の大きなイベントは「京都へ家うつり」です。
気負わず、されど夢を持って、京都暮らしを楽しめると好いなぁ~。

昨年同様、どうぞ宜しくお付き合いください。

                            

          写真は、京都御所の板絵です

               

謹賀新年

2012年01月01日 | 閑話休題


新年明けまして
    おめでとうございます

お正月、いかがお過ごしでしょうか?
今年の元旦も我が家から初日の出を拝むことができ、
幸先の良いスタートをきりました。

本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます


              壬辰  元旦    
                        暁庵