暁庵の茶事クロスロード

茶事が好きです。茶事の持つ無限の可能性に魅了されて楽しんでいます。2015年2月に京都から終の棲家の横浜へ戻りました。

京都へ家うつり(2) 桐箪笥

2012年01月24日 | 京都へ家うつりします
母の形見の桐箪笥があります。
いつ、どうして我が家へ来たのか、思い出せません・・・。
古いものなので、処分すべきか、修理して使うべきか、悩んでいました。

母は着物道楽で、着物を次々と送り込んできました。
その頃、たぶんお茶もやってなく、仕事をしていた私は
「着物を入れる所がないし、これ以上送ってこないで!」
と断りました。
すると今度は、着物と一緒に箪笥が送られてきたのでした。
(桐箪笥はその一つらしい・・・)

娘がいつか着てくれるだろう、着てほしい・・・と、
着物を送り続けてくれた母が亡くなって2年が過ぎました。
お茶をやっているので着物を着る機会も増え、
「形見の着物を一枚でも一回でも多く着てあげたい」
と感謝しつつ袖を通しています(合掌 )。

                      
                         (古い箪笥を記念撮影)

その桐箪笥を京都へ持っていくことにしました。
「京都で着物を着るのなら箪笥があった方がよいのでは・・・」
という主人の意見もありましたけど、
どうしても捨てることができなかったからです。

それで、暮れに桐箪笥を修理してくれる専門店を探し、
品川にある林タンス店に依頼しました。

正月休みに帰宅した息子たちに話すと、
「やっぱ、おばあちゃんの箪笥は削り直して使い続けるのが正解でしょう」
と嬉しい賛同が得られ、みんなで箪笥を階下へ運び出しました。
すると、見た目以上に傷みが進んでいて、
背面の板が外れて竹釘が露出していたり、底が抜けかけ金具がとれていたり、
我が家へ来てからの歳月を物語っています。

先日、林たんす店へ引き取られていきました。
「二、三十年使えるようにきっちり直します」とのこと、
戻ってくるのが楽しみです。

思わぬ出費ですが、今は迷いがなくなって清々しい気持ちなのです。
形見の着物と箪笥を京都へ一緒に連れて行けるからかもしれませんね・・・。

                              

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