鈍想愚感

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アベノミクスの空洞化をバッサリ切り捨てた丹羽宇一郎元伊藤忠商事社長

2014-01-27 | Weblog
 26日のTBSテレビの「時事放談」にパネリストとして登場した丹羽宇一郎元伊藤忠商事社長は司会の御厨貴東大教授にアベノミクスについて聞かれると「円安でインフレにする世界でも例をみない壮大な実験だ」と切り捨てた。伊藤忠退任後は中国大使を務め、ミソをつけた感があったが、どうしてどうしてこの日の発言は対中国問題についても「日本と経済的に結びつきが深く、早く友好な関係にもっていかないと日本経済の先行きさえおかしくなる」と安倍政権の外交にも注文をつけ、健在ぶりを示した。
 丹羽氏はアベノミクスについては「肝心の経済成長についての中身が全くなく、いまのところ円を刷ってばらまいただけで結果としてインフレにもっていくのだから、円安からインフレに至る世界の歴史上でも例をみない壮大な実験で、このままでは必ず失敗に終わる」と切り捨てた。そして「日本に需要がないのだから、企業は海外に出ていくしかないので、日本経済は空洞化する」とも語った。そこで、司会の御厨教授は丹羽氏が第1次安倍内閣の時に経済諮問会議のメンバーだったことを指摘し、規制緩和について尋ねると、丹羽氏は「官僚が規制緩和をしようとしないのだら、どうしようもない」と看破した。
 また、丹羽氏は東京都知事選で話題となっている脱原発について発言を求められると、「日本は2049年には原発はなくなっているし、方向としてはその方向へ向かわざるを得ないことははっきりしている。ただ、いますぐに原発をなくすということには無理がある。エネルギーコストが上がってしまって、日本企業はやっていけんかうなるのは目に見えている」とし、「脱原発の方向にはだれしも異論はないのだから、その脱原発をいかにもっていくか、を議論すべきだ」として、専門家によるロードマップをつくるべきだ、とも指摘した。格廃棄物の処理にしても実態がどうなっているか、今後10数年から20年後のかけて日本のエネルギーの依存をどうしていくか、をきちんと議論していくべきで、単にスローガンだけでやりあっても仕方がない、とも指摘した。
 丹羽氏はさらに「原発の問題は単に日本だけが無くしても空気はグローバルなもので、お隣の中国からやってくるものだから日本だけで解決できるものではない。そうしたグローバルな観点をどうするかということが全く議論されていないのがわからない」とも牽制した。丹羽氏によると、中国で今後、20機から30機の原発が計画されており、韓国でも同様だ、という。こうした原発が稼働すれば日本へ影響しないことはないだろう。丹羽氏の言うように日本だけが脱原発していればいい、という問題ではない。
 こうした問題を放置しておいて、安倍首相は原子力発電の機器の輸出に取り組んでいた。さすがに今回のインド訪問では渦中の都知事選に影響することを懸念してか、原子力発電機器の輸出には触れなかったようだが、安倍首相の頭のなかでは原発再稼働、そして原子力発電機器の輸出促進が刷り込まれていることは間違いない。中身のないアベノミクスと同様、安倍首相の頭の中も空洞化しているのだろう。
 
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