鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

過剰な人気「ダ・ヴィンチ・コード」

2006-06-12 | Weblog
 雨の中、11日、東京・渋谷で映画「ダ・ヴィンチ・コード」を観賞した。丁度昼開始の回だったが、開演前にほぼ満席で、封切り後3週間経っても人気は衰えていない。世界各国で大ヒットしており、この分では「タイタニック」を上回る興行成績の新記録達成も間違いなさそうだ。映画そのものはキリストの生涯にまつわる伝説を描いたもので、本来、日本人には馴染みの薄いものなのだが、日本人にはとても親しみのあるルーブル美術館のモナリザが出てくる宣伝に乗せられた感が強い。小説の売れ行きも角川書店の宣伝もあって凄いが、映画はトム・ハンクス、ジャン・レノら著名な俳優を出演させたことでさらに人気をあおったようだ。
 映画は深夜になぜか謎を解く使命を帯びた館長がルーブル美術館を歩くところから始まる。その後を黒いマントを被った修道士が追ってきて、その館長を殺し、宗教的な意味をこめた儀式を施して放置する。たまたま、パリにきていたトム・ハンクス演じる米国の歴史学者がパリ警察に呼び出され、現場に駆けつけると、そこに殺された館長の孫で宗教研究家の女性が来て、2人で館長が帯びていた使命、キリストの末裔探しの旅に出かける。そこに謎の殺し屋の修道士、別のキリストの宗派の妨害、協力者だったのに最後は敵となる宗教史学者などがからみ、謎解きが複雑に錯綜してドラマは展開する。
 最後は身近に謎の解があった、と明かされて幕となる。映画としてはまあ、面白いが、中から上の真ん中くらいの出来ではなかろうか。全体にキリストにまつわる話は日本人にはさほど興味がないし、よくわからない。外国人に天照大神の話をしてもわからないのと一緒だろう。教会の中の墓や床下を探ってもあまりピンとこない。なのに、どうしてこんなに多くの人が見にくるのだろうか。宣伝の力だ、と言わざるを得ない。
 実は1カ月くらい前に目黒の有隣堂書店で、「ダ・ヴィンチ・コード」の英書を買った。映画を見る前に読んでやろう、と思ったのだが、残念ながら500ページあるうちの90ページくらいしか読めなかった。参考までに円高で英書の価格が安くなっているが、ダ・ヴィンチ・コードの英ペーパーブックは有隣堂書店では1100円だったのに丸善では1000円だった。仕入れの規模で価格に差が出るようだ。流石、英書では丸善に一日の長があるようだ。
 高校3年の夏休みにサマセット・モームの「人間の絆」を英書で読みきったことがあり、以来、英書からは遠ざかっている。それだから、60歳過ぎて挑戦したわけだが、あえなく敗退となった。映画は見てしまったが、それで英書の読みきりができるか、どうかお楽しみだ。
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