鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

なぜ弱腰の厚生労働省

2007-03-27 | Weblog
 27日付けの毎日新聞によると、厚生労働省はインフルエンザ治療薬「タミフル」の服用を容認することを決めたが、ぐるぐる変わる厚生労働省の方針に疑問が沸き起こっている。タミフル服用後、患者がベランダから飛び降りるなど異常行動をとるケースが多発しているのにいまだに厚生労働省は使用禁止命令を下さない。20日に「10代への処方禁止」を打ち出したが、今度は使用を容認する、ときた。今後の方針を決める委員会の委員にメーカーから助成金をもらっていた研究者が入っているミスを犯すなどの迷走ぶりも犯している。厚生労働省がこんなことでは国民の命を一体誰が守ってくれる、というのか、といいたくなってくる。
 10代への処方禁止といった方針が出た時に、未成年には禁止でなくなぜ10代だけ除外という結論がどうして出てきたのか、疑問に思った。医学的にも肉体的にも10代だけに障害が出るなんて研究結果はまず引き出せない、と思う。副作用が強すぎるというのなら、10歳以下のが危険だろう。たまたま、12歳児の事故報告が相次いだので、10代を対象にしたという極めてファジイな方針だったのではないか、と思う。
 その後の調査結果をみてもタミフル服用後に年齢に関係なく異常行動が見られている。タミフルはスイス・ロシュ社の製造するインフルエンザ治療薬で、一般名はリン酸オセルタミビル。01年の発売以来、世界の服用者の約80%にあたる2450万人が日本人だ、という。厚生労働省のなかには研究機関がいっぱいあるのだろうから、タミフルの成分を分析して、人体にどう影響を及ぼすのか動物でも使って実証実験でもすればいい。発売に関してはそうしたデータが取り揃えられたうえで、許可とあんっているのだろうから、許可時のデータを公開することでも解明されるのではなかろうか。
 タミフル服用後の事故が報道される度に「どうしてタミフルを即、使用禁止にしないのか」と疑問に思ってきた。疑わしきは罰せずは裁判の原則だが、こと医療に関しては人命に関わることだけにそうはいかない。逆に疑わしきは使用許可せず、でいかないと大変なことになってしまう。
 しかし、厚生労働省の対応はおそる、おそるである。で、最後は使用容認となった。なぜ、そんなに弱腰なのだろうか。ひとつ考えられるのは発売元の中外製薬になんらかの借りがある、ということ。製薬メーカーと役所の癒着ぶりは松本清張の推理小説でもよく題材に取り上げられており、ここは民主党の馬渕澄夫議員に真相を暴いてもらいたいものだ。
 もうひとつ考えられるのは「女性は産む機械である」との問題発言で物議をかもした柳沢伯夫大臣が妙に遠慮していることだ。職務に全身を傾ける、と豪語して居座ったのだから、ここはバッサリと刀を振るってもらいたかったところだ。
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