鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

問われるべきは、秋田書店が雑誌をいかなる考え方で発行しているかだ

2013-08-22 | Weblog
 秋田書店の読者プレゼント不正問題が泥沼化してきた。当初、消費者庁の「景品表示法違反」に基づく再発防止などの措置命令で、怪しからぬ不正を行っていた秋田書店が景品水増しを行っていたと社内で訴えていた女性社員を解雇していたことが明らかになった、と思ったら、今度は秋田書店が当の女性自身がプレゼントを不正に流用していた、と逆に訴える構えを見せ始めたからだ。どちらの言い分が正しいのかは法の裁きを待つしかないが、そもそも秋田書店のコーオレートガバナンスが行き渡っていなかったことだけは確かで、これまで隣国の中国で似たようなあきれた企業の振る舞いを笑ってきたのが日本でも同じような状況にあることが裏付けられたようだ。
 秋田書店の主要なマンガ雑誌の読者プレゼントで当選者数を実際より多く表示していたうえ、架空の名前の人に景品を発送したとの事実も明らかとなった。2010年6月から2012年5月にかけて、携帯型DVDプレイヤーやテレビゲーム機、商品券などの景品について、それぞれ1~50人の当選者が出ると記載しながら、実際はそれより少ない数しか発送せず、なかには当選者が全くなかった景品もあった、という。同社の内部告発を受けた社内調査で事実関係を把握し、不当表示を中止した、という。ということはもう不正はしていない、とも受け取れるが、問われるべきは秋田書店がいかなる考え方で雑誌を発行しているか、ということだろう。
 消費者庁が調べたところ、そうした事実はあったことが判明し、20日になって秋田書店に対し、景品表示法違反に基づく措置命令を出した、と発表した。命令に従わない場合は法人に対し3億円以下の罰金、その代表者には2年以下の懲役、または300万円の罰金が科されることになっている。命令を受けた秋田書店では社長名で、「読者や関係者に深くお詫びし、再発防止に取り組む」との謝罪文を公表した。
 秋田書店はこうした不正を行った理由として、「近年、メーカーから景品の無償提供が受けられなくなり、経費削減のためやった」と同社の場合、しているが、読者プレゼントをすべてメーカーからの無償提供で行うという考え方がいまの時代にそぐわない。読者プレゼントは読者アンケートと一体になっており、プレゼントをつけないとアンケートに答えてくれない体質となってしまっていることが問題である。プレゼントほしさのアンケートに答える人の意見などはまず聞くに値しないものと考えるのが普通だろう。読者が誌面、内容についてどう思っているかを本当に知りたい、と思ったら、別の形できちんとした読者アンケートを設計すべきだろう。
 解雇されたと主張している元女子社員と日頃、そうした読者アンケートのあり方について議論をして、会社側とコンセンサスを得るような雑誌のつくり方をしていたかどうかが問われなければならないだろう。となると、秋田書店がいかなる姿勢で雑誌をつくって販売しているか、が問われるということになるのだろう。
 
 
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 意外な結末で、ちょっとした... | トップ | 「新宿の女」でデビューした... »

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事