26日朝のテレビ東京の経済番組、モーサテを見ていて、たまたま中国の株式市場の有望銘柄を取り上げていて、見ていると、スポーツ用品メーカーの「安踏体育用品」や、衣料品・スポーツ関連企業の「李寧」を取り上げていた。いずれも時価総額3,4兆円の巨大企業であり、なるほどと思わせたところで、画面を見ていると、前者の「安踏体育用品」は「アンタ・スポーツ・プロダクツ」と、後者の「李寧」は「リーニン」とカタカナ表記も併記されていたのにおやっと思った。日本では社名に英語も併記するのは当たり前となっているが、中国でも同じように英語が表記されているのに改めて中国政府の国際社会への姿勢を見せつけられた思いがした。
続いてテレビ東京が取り上げた「中国旅遊集団中免」社も「チャイナ・ツーリズム・グループ・デューティフリー」とカタカナ表記していた。考えてみれば、中国はいまや米国に次いで世界第2の経済大国となっており、米国へはもちろん、日本、へも欧州工業製品はもちろん、日常必要な物資を輸出しており、従来の漢字表記だけではやっていけなくなっている。日本にとっても中国は最大の貿易相手国である。だから社名だけでなく、製品名も漢字表記に合わせて英語も表記しないと売れなくなっている。グローバルに活躍していくうえで、英語表記は欠かせない、ということなのだろう。
中国の習近平主席の名前の読み方は日本ではシューキンペイと発音され、欧米ではシーチンピンと言われているようだが、表記は漢字や簡体字が用いられているようでもない。中国に日本のようなカタカナ表記があるのか、定かではないので、不明とするしかないが、日本のようにローマ字表記にでもしているのだろうか。中国語と英語は主語述語の順で書かれているので、そのまま表記することはありうることではあるし、覚えるのに日本語ほどは難しくない、と言われている。
グローバルな経済活動を展開するには社名、製品名などを英語表記するのはいまや欠かせないことである。中国と米国の間でお互い上場企業への投資は進められていることだろうし、あまたの経済的なやりとりも進んでいることだろう。特にデジタル分野の技術的な内容についてはすでに英語表記が中国のなかでは相当に浸透していることが十分に考えられる。となると懸念されるのは中国の古来からの伝統、考え方というものが英語圏のものの影響を受けて、変質していってしまうのではないか、ということである。お互い世界の経済の覇権を競うような立場にある両国がこの面でいかなる歩み寄りをみせるのか、興味あるところである。
こう考えてくると、中国企業の英語表記」はいまや当たり前のこととなっていて、とかく米中の対立が云々されてはいるが、どっこい中国は米国との経済面でも協調は欠かせないものとなっているのだな、と思わざるを得ない。日本とは違う形でグローバル経済を推し進めている中国が今後、どういう形で欧米文化を取り入れていくのか、日本としても参考とせざるを得ないだろう。
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