鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

どこへいった国連常任理事国

2006-02-22 | Weblog
 国連事務総長に韓国が立候補し、日本に支持を要請してきた。さきに日本は国連の常任理事国入りを表明し、韓国、中国に支持を求めたが、靖国神社問題が祟って、逆に反対される始末。そうした折りに、今度は韓国から国連事務総長支持を求められたわけで、かねて「次の国連事務総長はアジアから」と主張していた日本としてはむげに断れない。そんなことなら、いっそ日本からも立候補者を立てたらいい、との声も出始めているが、ライブドア問題、耐震偽装問題など国内の諸問題で対応に大わらわの小泉首相にとてもそんな余裕はない。朝日新聞の世論調査によれば、頼みの内閣支持率も過去最低級の43%になった。やること為すこと後手後手に回って、いよいよ末期症状の出てきた小泉内閣、とみた。
 いまのガーナ出身のアナン第7代国連事務総長は今年末に任期が切れる。選出については安全保障理事会の勧告に基づき、総会が任命することになっている。これまで地域輪番制をとってきており、アジアは3代目のミャンマー出身のウタント氏以来30年にわたって出ていない。こうしたことから、アジアからすでにタイ、スリランカから立候補者が出ており、韓国からはは3人目の立候補者。外交通商大臣の藩基文氏で、南北協調を背景に北朝鮮の核問題解決に貢献できる、と立候補の弁を述べている、という。しかし、米国のボルトン国連大使は「出身地にとらわれず、ベストの人材を選出すべきだ」とアジアからの選出に暗に反対の意向を表明している。
 すでに韓国は公式ルートを通じて日本政府に支持を求めてきており、これに対して日本は支持する、ともしないとも態度を明確にしていない。最大の頼りの米国の真意がつかめないうえに靖国問題の影響で韓国との外交関係がスムーズにいってないからだ。日本の常任理事国入りの際にははっきりと韓国、中国から反対されたのにどうして国連事務総長選出で韓国を支持できるのか、といった反発もある。
 それよりも日本はなぜ先手を打って、次期国連事務総長に候補者を立てなかったのか、疑問が残る。候補者なら猪口邦子衆院議員はじめいくらでもいるだろう。なのに立てなかったのは外務省の怠慢なのか、それともまだ、常任理事国問題が片付いていなかったので様子をみていたのか、よくわからない。いずれにしろ、靖国神社参拝の余波でいまや日本の外交はにっちもさっちもいかなくなってしまっているのだろう。もともと米国の顔色ばかりをうかがって、外交をしてきたのが小泉首相の外交なのだから、当たり前だ。
 なにが大事なことなのか、見極める力なんかもうない。それでなくともライブドア、耐震偽装、防衛施設庁の談合など国内の諸問題山積で小泉首相の求心力は低下する一方で、正直、小泉首相の頭の中には次期国連事務総長人事などこれぽっちもないのだろう。こんな輩を首相にいだく国民こそ不幸だ。
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