鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

杜撰な管理、大学入試センター

2006-01-30 | Weblog
 さる21,22日行われた大学入試試験で見るからに役人が行っていると思わせる事件が発生した。英語のリスニング試験でICプレイヤーなるものを初めて導入したのはいいが、装置の不具合で満足に聞き取れなかった受験生が続出し、全国で450人も先週末に再受験する、という失態を招いた。全体の0.07%に過ぎぬとはいえ、公正をもって旨とする大学受験に不明朗な影を投げ掛けたことは間違いない。受験生にすれば、釈然としない感が残ったのは間違いない。いかにもお役人のする仕事である。
 今回の大学入試試験には全国で61万5384人が参加した。肝心の英語のリスニング試験はこのうち4%にあたる2万4千人が「聞こえない」などと訴えた、という。そのなかから、再受験やむなしと判断されたのは450人というのだが、その判断がどう下されたのか、疑問が残る。再受験した450人はそれまで不正に情報をえていないか、どうしてチェックできるのだろうか。さらには他の受験生に公正に採点されるのか、との不安も生じかねない。
 このICプレイヤーなるもの、某メーカーの製造になるもので、大学入試センターと3年の購入契約を結んでいる。総額16億円で、1台当たり2600円と大量生産の割りには高い。受験後はすべて受験生が持ち帰っていいことになっていたという。といっても使い道はほとんどなく、記念品としてか、すでにネットオークションにも出回っている、という。テレビでだれかが語っていたが、「メーカー品で不良品の発生率が4%もあったら、担当者は即座に首だ」。そうした厳しい処置が関係者の間で行われた、という話も聞かない。
 メーカー名は公表しないが、どうせ、名のある国産メーカーに違いない。東証のシステムダウンではメーカーの富士通が社長以下の処分を発表したが、メーカー名が公表されてないのではこうした責任論もうやむやにされてしまう。
 一番の責任は今回のテストのやり方を含め全体を設計した大学入試センターにある、と思う。かつての館内放送と比較して効率、コスト、手間などの面で、果たしてICプレイヤー方式のがよかったのか、もう一度検証してほしいものだ。お役人根性丸出しのやり方だけはやめてほしい。小泉構造改革の実態はこんなものなのだ。
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