鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

中山成彬国土交通相辞任の裏に拉致問題の影が

2008-09-28 | Weblog
 中山成彬国土交通相が成田空港の拡張が進まなかった原因を地元住民のごね特などと発言した問題の責任をとって28日辞任する。29日から始まる臨時国会で野党からの追及があるうえ、続く解散・総選挙への影響が必至とみて、早めに手を打ったようである。中山大臣は2004年の第2次小泉改造内閣の文部科学相として初入閣し、現在は町村派の事務総長を務め、南京大虐殺は存在しないとのレポートをまとめた「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」の会長を務める保守派の代表で、日教組に対しては深い思い入れがあるようだ。が、大臣の座をあっさりと投げ出してまでして発言したその心の底には一体何があるのだろうか。
 中山国土交通相は25日の就任の会見のなかで、成田空港に関する「ごね得」発言や、大分県の教育委員会の贈賄収にふれて、「日教組の強いところは学力が低い」、さらには「日本は単一民族国家」と必ずしも管轄の国土交通関係でない分野で問題発言を散発し、翌日に関係する団体から早速に抗儀を受け、直ちに発言を撤回する声明を出した。
 これで、一応ケリはついたか、と思いきや、当の中山国土交通相は27日に地元の宮崎市で開かれた自民党宮崎県連の会合で、「ごね得」と「単一民族」発言については謝罪したが、日教組についての発言については「日本の教育のがんだ。日教組は解体しなければならない」と改めて批判し、聞かれて国土交通相の座にきゅうきゅうとしない」と辞任を覚悟している、との意を示した。
 就任してわずか5日の辞任は戦後2番目の早い記録となるが、明らかに辞任を覚悟しての開き直りである。議員にとって大臣に就任するということはいくら総選挙が近いとはいえ、名誉なことである。その座を放り投げさせたものは単に日教組に対する憎悪ふだけのなのだろうか。
 かつて文部科学相を務めた際の忌まわしい出来事があって、こうした発となttのか。本当に日教組を解体させよう、と思っているのなら、もっと効果的な手法がいくらでもあったろうに、と思われる。
 今回の国土交通相への就任に不満があるのなら、即座に断ればいい。受けた以上はすぐに投げ出すようなことはしないだろう。で、考えられるのは中山大臣の奥さんである中山恭子前拉致問題担当相への処遇である。当初は解任され、新たに河村建夫官房長官が兼任となった。すると、拉致家族支援の会から不満の声が出たためだろう、翌日になって急遽、中山恭子参院議員に拉致問題担当の首相補佐官に任命する、との命が下った。
 拉致問題に対してなんら対策を講じずに中山恭子議員に責任を押し付けて何っもしてこなかった政府、そして単なる人気取りだけのために安易な人事に翻弄されてきた奥さんへの対応ぶりに不満をもっていて、それが爆発したのではなかろうか。
 もっとも今回の辞任により、中山首相補佐官への信頼が揺ぐことまでは計算のうちに入っていなかったことだろう。いずれにしろ、膠着状態にある拉致問題が遠因だった、とはいえそう。
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