鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

得意満面の絶頂にある安倍政権に冷や水を浴びせかけた沖縄・名護市長選

2014-01-20 | Weblog
 18日行われた沖縄・名護市長選で、米軍普天間基地の辺野古への移転反対を唱える現職の稲嶺進氏が自民党の推す末松文信氏を大差をつけて破り、再選を果たした。同日昼に都内で行われた自民党の党大会で、歌手の松崎しげるを招いて異例の盛り上がりを見せたのに水をかけた結果となり、得意満面の頂上にあった安倍政権に強烈なパンチを浴びせかけることとなった。自民党大会では憲法改正を掲げ、沖縄・尖閣列島周辺での自衛隊や海上保安庁での活動を続ける隊員・職員にエールを送る場面も見られ、やや行き過ぎの感もあっただけに丁度いい冷やし材料となりそうだ。 
 名護市長選は稲嶺氏が1万9839票となったのに対し、末松氏は1万5684票と前回の1500票差より倍以上の差をつけて当選を果たした。昨年末に仲井真弘多沖縄県知事が辺野古埋め立て申請を承認したことが沖縄県民の反発をかって、さらに反対運動を加速されたことによることは明白である。仲井真知事は普天間基地の県外移設を公約として知事に当選を果たしたのに公約を反古にして、普天間基地の移設を前提とするような辺野古埋め立てを承認し、いまや沖縄県民の民意とは離れた知事となり果てている。そんな知事が末松氏応援に回っても名護市民の心には響かない。政府・自民党に心を売ってしまった知事は辞めるしかないだろう。
 自民党大会では石破茂幹事長が「国政では自民党は圧倒的な支持を受けているが、地方では取りこぼしが目立っている。地方でも支持を広げていきたい」と半ば名護市長選を意識しながら、党員の意識の引き締を訴えていたが、その数時間後に水をかけられるようなことになるとは思ってもいなかったことだろう。円安と株価の上昇で、いかにも日本経済は回復し、党勢も同じように上昇していくものとばかり思い込んでいた自民党首脳には思ってもいなかった結果だろう。
 一見、順風満帆に見える安倍政権ではあるが、詳細に点検すれば綻びは随所にみられなくもない。脱原発で揺れる東京都知事選にしても原発再稼働を目論んでいる現政権にとっては目の上のたんこぶであろう。自民党を見限って出ていった舛添要一氏を担がざるを得ない党内事情はお寒い限りだ。負けた際には石原伸晃環境相に責任を押し付ければいい、ということだけでは乗り切れないことだろう。
 18日のTBSの「時事放談」に出演していた藤井裕久民主党顧問がいまの安倍政権について、「党内にいろいろ不満もあるようだが、世論調査で支持率が高いのでみんな黙っているようだ。どこかで綻びふが出れば一挙に噴出する」と言っていた。まさに安倍政権は世論に阿いた政治姿勢をとっており、かつての小泉政権とは違った意味でのポピュリズムである。藤井顧問の言うように何かあれば、一挙に逆の結果が出る、ということになることだろう。
 この意味で今回の名護市長選の結果はその嚆矢ともなりかねず、来月9日の東京都知事選の結果も合わせて安倍政権にとって退潮への入り口となるのかもしれない。
 


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