鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

見終わって楽しく、あと味のいい「映画「レ・ミゼラブル」

2013-01-04 | Weblog
 3日は東京・渋谷の渋東タワーで、映画「レ・ミゼラブル」を観賞した。昼過ぎの回の入場券を買おうとしたら、すでに満員で、増設されたスクリーンでの前から2列目しか空いていない盛況ぶりだった。安倍首相も正月休み期間中に観賞したというから、そのせいでもあるまいが、異常と思えるほどの人気に驚いた。小さい頃から親しんだ岩窟王のジャン・バルジャンの物語にフランス革命に似た学生運動のロマンスを付け加えたミュージカルで、どこにヒットの理由があるのか、なかなか疑問が解けなかった。
 「レ・ミゼラブル」は冒頭、嵐の中を囚人たちが船を太いロープで引っ張り上げるシーンから始まる。ヒュー・ジャクソン演じるジャン・バルジャンがそのなかでロープを引っ張り、監視する牢役人のジャベールを睨みつける。時間がきたので引き揚げようとするジャンバルジャンにジャベールは水に濡れて倒れているフランス国旗を持ってくるように言いつけ、重い国旗を怪力で引き揚げて担ぐので、周りの囚人たちは驚く。19年の刑期を終えて、牢を出るジャンバルジャンにジャベールはどこまでも追いかけていくことを宣言する。
 逃亡したジャンバルジャンは教会に助けを求め、神父さんらの世話になるが、銀の食器を盗んで逃げてしまい、警官に掴まる。しかし、神父さんの「銀の食器は与えたものだ」との言葉に救われ、再生を誓う。
 月日は経って、ジャンバルジャンはフランスのとある都市の市長兼工場主として甦り、大勢の従業員を雇う身分となっている。そこへ雇われた美しい女工がいじめに遭い、工場から追い払われ、苦界に身を沈め、娘を残したまま死んでいく。工場主としてなんの助けも出来なかったことを悔い、ジャンバルジャンは娘コゼットを助け出し、ともに街をあとにする。
 コゼットとたどり着いた新しい街、パリで学生運動の闘士とコゼットは恋に落ちる。そこへやってきたジャベールはジャンバルジャンの足跡をみつけ、追いかける。革命のさなか、ジャンバルジャンはコゼットの恋の相手の命を救い出し、学生たちの捕虜となっていたジャベールをも救い出す。救われたジャベールはジャンバルジャンの慈悲に感動して、自ら命を絶つ。
 一方、革命に敗れた学生たちはほとんど死んでしまうが、コゼットの恋の相手だけが生き残り、コゼットと結ばれる。すべてを悟ったジャンバルジャンは2人の幸せを祈って、コゼットの母親の霊に導かれて黄泉の世界へ旅立っていき、学生たちの目指した新しい世界の幕開けを謳歌したシーンでジ・エンドとなる。
 ジャベールを演じたラッセル・クローとヒュー・ジャックマンがよかったのか、ストーリーとしてはよく知られたもので、新味はそれほどないのに受けている。ただ、見終わって楽しく、あと味がよかったのは事実で、それが受けている理由なのか、と思った。
 
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