鈍想愚感

何にでも興味を持つ一介の市井人。40年間をサラリーマンとして過ごしてきた経験を元に身の回りの出来事を勝手気ままに切る

大井町線の溝の口延長で等々力渓谷へ行く気になった

2009-09-20 | Weblog
 20日は溝の口から大井町線に乗って、等々力駅まで行き、玉川神社例大祭を見に行った。東京急行電鉄のPR小冊子、「HOTほっとTOKYU」9月号に紹介されていたのを見て行く気になったもので、東京都の地図で等々力駅からの行き方を憶えて、駅を降りて大井町線と直角の方向へ歩きだしたら、駅前通りの拡声器から祭りの曲が流れ、街路には提灯など飾り付けがされていて、街全体が祭り気分に浸っている感じがしてきた。少し行くと、祭りの神輿を前に多くの人がたむろしていて、どうやら出陣の用意をしている様子だった。
 ちらっと横目で眺めて、とにかく玉川神社に行こうと歩き出したが、行けども行
けども高級住宅街ばかりで、それらしきところにぶち当たらない。かみさんも「地元のお祭りには見向きもしないのに……」と言い出し、渋々付いてくる。そういえば、地元の久本神社のお祭りにはまず顔を出したことがない。往きあった奥さんに玉川神社の所在を聞いたところ、方向違いの場所をめざしていたことが判明した。軌道修正して、ようやく玉川神社に行き着くと、丁度5台のお神輿が神社に入ってくる時刻となり、一番いいところが見られた。浅草の三社祭りのそれとは比べものにならないスケールだが、このあたりでは一番の威勢の良さはうかがえ、来た甲斐があった。
 祭りのサワリをみた、ということで、等々力駅前で適当なお店でランチをと思って物色したが、大概のお店はお神輿の担ぎ手に駆り出されてか、休業の様子で、かろうじて駅南の「そば処ぎんや」なるお店を見つけ、入った。コーヒーからとんかつまである駅前食堂の趣きだったので、懸念したが、出てきたそばはどうしてどうして美味しかった。窓から等々力渓谷の森も眺められ、お薦めの店といってもいいくらいだった。
 で、もうひとつの目的の等々力渓谷を散策した。ゴルフ橋から渓谷に沿って、玉沢橋、を経て等々力不動尊までの全長約1キロメートルを川の流れに沿って散策し、ゆったりとした気分を味わうことができた。渓流の上は鬱蒼と茂った緑に囲まれ、これが都会の一角にあるとはとても信じられない。途中、木道あり、横穴式古墳ありで、季節の折りにはサクラや紅葉を楽しむこともできそうで、生息する野鳥の種類も多い、という。
 狭い川沿いの道を結構な人が行き交い、年中通じてお客が多そうな感じを受けた。環状八号線に沿って300メートルくらい行ったところに野毛大塚古墳なる遺跡もあり、古墳の周りにはいかにも古墳から出土した大型の甕が点々と配置してあった。
 手近なところにこんな観光名所があったとは前から知ってはいたが、来るのは初めてで、等々力の駅に降り立つのも初めてのことだった。電車では何回も通っていたのに、一回も降りたことがないのは考えてみれば不思議なことだった。たまたま、玉川神社例大祭に行く気になったからついでに等々力渓谷に寄ったのだが、これも大井町線が溝の口まで伸びたことがその気にさせたのかもしれない。
 鉄道の開通が街なり、人の流れに変化をもたらし、新たな風を起こすことになることを実感した。
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驚きに次ぐ驚きの演技で一見の価値ある「シルク・ドゥ・ソレイユ」

2009-09-20 | Weblog
 19日は千葉・幕張のシルク・ドゥ・ソレイユシアター東京で「シルク・ドゥ・ソレイユ」の公演を見た。知り合いの外資系会社のS社長にぜひ見るべきだ、と勧められて足を運んだもので、開演の午後2時前にイクスペリアでショッピングをしてから会場に赴いた。架設のテントでの会場かと思ったら、本格的な常設シアターに驚いた。係員にシルク・ドゥ・ソレイユの意味を尋ねたら、フランス語で「太陽のサーカス」との意だと教えてくれた。中央通路のやや後ろの席で開演を待っていたら、10分前くらいに2人のピエロが前方斜め前の観客席あたりに登場し、観客相手にパフォーマンスを行い、盛んに拍手と笑いを浴びていた。そのまま、開演時間になり、舞台に上がって、舞台中央に置かれた布製の大きな本を相手に寸劇を演じ、本の上から舞台下に姿を消して、その瞬間に幕が開く、という憎い演出は見事だった。
 まずは天井から紅白歌合戦の小林幸子を思わせる豪華衣装を纏った美女が舞い降りてきて、その周りをロープに支えられた4人の女性が華麗に舞いを繰り広げた。舞台正面のバックには円筒状の仕切られたスペースごとに一人ずつ武者姿の踊り手が現れ、音楽に合わせて一糸乱れずに上空の女性の動きに合わせてパフォーマンスを展開する。
 続いて南太平洋の土人を思わせる一団が現れ、ひとしきり踊った後、手にしたロープを身体の周りにぐるぐる回し、その輪をくぐって回転運動を繰り広げ出した。それも一人だけではなく、複数の踊り手が次から次へと輪くぐりをしていく。それぞれの技が素晴らしいので、拍手しようにもすぐに難しい技が出てきて、それをいとも簡単にこなしてしまう。
 そして、天井から下りてきた地上10メートルのロープ上での綱渡りの「炎の振り子」、5人のパフォーマーによる3本づつのピン投げから火の点いた松明でのジャグリング「ケルヌーンの火」、4本のポールと中央のトランポリンを併用した演技の「天に向かって」、新体操をさらに高度化した立ったもまの4段ピラミッドの「バベルの塔」、片手一本で女性の水平の身体を支える「天と地の出会い」など驚きに続く驚きのパフォーマンスが続いた。
 休憩をはさんだ後半は美女がソロで天井から下がった帯にぶら下がって踊りを披露して、楽しませてくれた。2本の帯に開脚したままの姿勢で空中に上がっていくさまは優雅としか言いようがなかった。続いて、赤と青のコスチュームにまとった女性2人がこれもロープにぶら下がっての華麗な舞いを披露したあと、空中ブランコの息を呑むような空中高く舞い上がって、反対側のブランコの漕ぎ手にスイッチする曲芸を見せてくれた。見ていて思わず声が出るような素晴らしい芸だった。
 ざっと70人の出演者のいずれもが卓越した技の持ち主で、それを何千回も何万回も練習して極限にまで高めたうえで、芸として披露していることがよく見てとれた。音楽を演奏する人も7人、それに歌い手もいて、ボタンひとつで天井からロープなり、リボンなり、網なりが下りてくるし、舞台の下も背景のバックも演目と一体になって手際よく演出されていて、2時間があっという間に過ぎてしまった。
 熟練した完璧な技ではあったが、ジャグリングで演者が一瞬ピンを落として即座に拾った場面を目撃したのが面白かったが、弘法も筆の誤りといたところなのだろう。全体としては驚きの連続で、S社長の言う通り一見の価値はあるものだった。
 見ているうちに数年前に東京・渋谷で「サルティンバンゴ」を観たことを思い出したが、その時は架設舞台であったこともあって、ここまで手際いい演出ではなかった、ように憶えている。いまではサルディンバンゴはシルク・ドゥ・ソレイユに吸収されたような形となっているようだが、その当時より確実に進化しているようだ。シルク・ドゥ・ソレイユは1984年に大道火食い芸人のギー・ラリベルテがカナダに設立し、いまでは日本、米国、中国で常設公演しているほか、世界各国の都市で巡回公演し、年間8000万人の観客を動員している、と言われている。
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