prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
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仲代達矢の日本映画遺産~新たな挑戦~ 第1回

2017年02月15日 | 映画
24歳で出演した「あらくれ」で共演した高峰秀子から舞台とは違う、映画の演技を教わったという。「ずうっと子役からやっている大先輩で一種のニヒリズムみたいなものがあって、それが芸風になっていた」と評する。実際、高峰秀子のエッセイを読むと実に人間観察が辛辣なのがわかる。

成瀬巳喜男はほとんど演技指導をしないのだがここでは「江戸っ子でやってくれ」というのがほとんど唯一の指示だったという。

よく言われるけれど、何もしないみたいな芝居をつないでいくと見事にシーンが組みあがっていくという成瀬演出はなかなか真似できることではない。小津の真似はあっても成瀬の真似はあまりない、と思ったら、「アリスの恋」あたりでスコセッシがやっていたらしいのね。再見する機会があったら確かめてみよう。

まだ新人の頃に結婚したのは、人気にさわると忠告されたという。そうだろうけれど、恭子夫人がいたからどこの会社にも属さないでやっていけたのではないかと勝手に思う。無名塾を立ち上げる事業計画はもっぱら夫人がやったらしいし。

「俳優は天職かといったら、いいやというでしょうね。しんどいもの」といって大笑いするのがインタビューの〆。



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仲代達矢の日本映画遺産~新たな挑戦~ 第1回

2月14日(火)のつぶやき

2017年02月15日 | Weblog