prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「テラビシアにかける橋」

2008年02月20日 | 映画
アメリカの田舎町の学校生活や貧困層の描写がかなりリアルで細やかなので、言葉や絵によるフィクションの創作がいかに「現実に」力を持つか、というテーマは浮わつかないで済んだが、肝腎のテラビシアのイメージがいかにもなファンタジーの域をあまり出ていなくて魅力に乏しいのは惜しい。
原作は読んでいないが、本来ミヒャエル・エンデの「はてしない物語」(間違っても映画版ではない)のようにコトバが喚起するイメージに賭けている性格の物語ではないか。映像にして絵解きしてしまうと、どうしてもイメージの広がる力が限定されてしまう。

インターネットは使われているらしいけれど、なぜかゲームをやっている子供は出てこない。ゲームで氾濫しているファンタジーと見かけの上で差別化するのが難しいからか。

ロバート・パトリックが「ターミネーター2」の無機質な悪役とはまるで違う厳しく現実原則を突きつけるが愛情ある父親役。

CGによる見せ場が本格化する前の、川をターザンみたいにロープで渡るところの撮り方で現実とは別の世界に入っていく感じを出す方が監督のセンスが見える。水量が増えたところを渡るところや雨の中の別れをハイスピードで撮ってある予感を出すあたりも。
(☆☆☆★)


本ホームページ


テラビシアにかける橋 - goo 映画


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。