この本が出たのが1984年なので、「最近」の記述には古くなっているところもあるだろうが、それ以前の黎明期の会社の成り立ちからして面白かった。満鉄調査部や軍隊の出身者を積極的に採用したところから当然国との結びつきが強くなる。226事件の後、政府は国民新聞、朝日、毎日のトップを貴族院議員に推挙するのに続いて、電通の光永社長を貴族院議員に推挙して、情報統制を飴と鞭の飴の飴の側からやっていたという。なるほどね。半世紀以上前、55年体制確立にあたって自民党の依頼で反共と日米安保体制擁護を宣伝する役に駆り出されたということで、当時の四代目の吉田社長が政治色を強めていたこともあるだろうが、今に至るも与党の情報管理に食い込んでいるだろうことは想像に難くない。オリンピックが電通の一手販売みたいになっているのは有名だが、実は博報堂が担当したこともあって、これがなんと日本が参加しなかったモスクワ・オリンピック。なんだかできすぎだ。
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