prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「大鹿村騒動記」

2011年07月21日 | 映画
周知のように7月19日に71歳で亡くなった原田芳雄の最後の出演作になったわけだが、歌舞伎の型を決める姿といい顔の色艶といい声の張りといい、とてもこんなに急に逝くとは思えず。
初めのうちこそ一種の感慨を持って見ていたが、すぐ映画に没入してあまり意識しなくなる。普通に見るのが故人に対する敬意と思う。

ずいぶん前にやった大井武蔵野館でのトークイベントで、2月29日生まれなのをサカナにして今年で14歳ですとか言っていた。それでいうなら17歳の少年のまま逝ったことになる。「タモリ倶楽部」の鉄ちゃんぶりなんか、そのまんまだったし。

大楠道代の認知症という設定が現実認識が曖昧になったり多義的になったりすることで、芝居や芸能の虚実皮膜に対応する格好で生かされている。

二週間というおそろしく短い撮影期間のため長まわしが多くなったそうだが、それがそれぞれ経験豊かな役者を生かした。

三国連太郎は88歳。17年上なのだから親といってもいいくらいだが、丈夫ですねえ。

松たか子が意外と、というのも変だが出番が多い。鄙には稀な美人といった感じで、裏を返すと割りと田舎っぽい。

訃報の翌日とあってかなりの入りなのはよかったが、前の席の男の髪の毛が立っていてスクリーンにかぶりそうなのと、隣の男が歯槽膿漏か何かで口臭が漂ってきたのはなんとかならんかと思いつつ見る。
(☆☆☆★★)

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