先日劇場公開された同じウー・ジン監督主演の「ウルフ・オブ・ウォー 戦狼」の前編で中国製ミリタリー・アクション三部作の一作目(三作目は現在製作中)。
二作目を先に見ることになったわけだが、その時意味がやや通じないところを一作目を見ればわかるのかと思ったらそうでもなくて、割とどうでもいいのがわかったというのが本当のところ。女性がらみのくだりなのだが、出したはいいけれど、どう位置付けていいのか曖昧なまま終わっている。
二年しか間をおいていないのに製作スケールは劇的に巨大化したのがわかる。中国の経済力とマーケットの伸長に見合ってのことだろう。「ランボー」の一作目からいきなり三作目に飛んだくらいの違いがある。
この段階では午後のロードショーでやるようなアメリカ製ミリタリー・アクションくらい。
銃や爆発のスケールがそれほどでもないだけでなく、それほど金かけなくてもできそうな肉弾戦がむしろ少な目なのは意外。
タイトルに狼と入っているからかどうか、CG(だとすぐわかる)の狼と戦うだけでなく銃剣でざくざく刺し殺すシーンがあるのが中国製らしい荒っぽさ。欧米だったらCGでもなかなかOKが出ないだろう。
敵役が今は傭兵とはいえ元シールズなどのアメリカ特殊部隊という設定だから中米代理戦争みたいな図になって、どうも見ていて落ち着かない。
中国プロパガンダ映画であることは当然だけれど、アメリカ製のそれを相対化する効果は一応ある。
(☆☆☆★)