prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「ランナウェイ/逃亡者」

2013年10月26日 | 映画
学生運動で過激に走って銀行強盗をして守衛を殺してしまったグループの残党の一人スーザン・サランドンが40年以上経った今になって逮捕され、そこから芋づる式に逮捕されそうになったロバート・レッドフォードが十歳くらいの娘を残して逃亡する。
FBIの追跡をかわしながら、かつての仲間たちを巡って歩くわけだが、長いこと会っていなくても縁は切れておらず、さまざまな感慨や反発が交錯する。原題はThe Company You Keep。「再会の時」(1983)のさらに30年後といった趣もある。

出演者が他にジュリー・クリスティ、クリス・クーパー、ニック・ノルティ、リチャード・ジェンキンズ、サム・エリオットといったベテランが並ぶ。中堅・若手の出演者も豪華なのだが、全般に年齢の高さが目立ち、それぞれ年取ったと思わせるのが、ベトナム反戦から今日に至る距離を感じさせるひとつの狙いにも見える。

レッドフォードは長らくハリウッドのリベラル代表でもあったわけだが、年取ってからの発言はやや反省がかったものに寄っている。「大統領の陰謀」については、ジャーナリストを英雄的に描きすぎた、「リバー・ランズ・スルー・イット」については環境保護を訴えたのにフライフィッシング人口を増やしてしまい、かえって環境を荒らしてしまった、といった具合。「ラスト・キャッスル」みたいに愛国的な軍人役を演じるなど70年代には想像もできなかっただろう。

左翼・リベラルが退潮してその失敗や偽善性が叩かれるのは洋の東西を問わないだろうが、こういうかつての立場を真摯に振り返って考え直す作品を作る姿勢には好感が持てる。真面目すぎて面白みに欠けるのも相変わらずで、追跡劇とするとちょっと緩いところがある。携帯で電話したら盗聴され位置を特定されるのは今やおなじみなので、もうちょっと手のうちようがあるのではないかと思わせる。

それにしても、レッドフォードが実年齢77歳にして娘役のジャッキー・エヴァンコが13歳。孫どころかひ孫でもおかしくない。
(☆☆☆★)

人気ブログランキングへ


本ホームページ


公式サイト

ランナウェイ/逃亡者@ぴあ映画生活

ランナウェイ/逃亡者 - シネマトゥデイ


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。