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無骨な男リノ・ヴァンチュラが女性に寄せる思慕という点で監督ロベール・アンリコ、脚本ピエール・ペルグリの「冒険者たち」の系譜に連なる一編。
ブリジット・バルドーが映画の中の役と女優その人を行き来する趣向がなんともロマンチックなのだが、今見ると動物愛護活動家としてのバルドーがかぶさってちょっと艶消しな感じになってしまうのが残念。
製作当時('72)流行ったノスタルジー色が半世紀近く経ってみるとそれ自体がノスタルジックに見える。当時のスクリーンに見入るクラシックな映画ファン気質自体がヴァンチュラがヒロインに寄せる無骨なロマンティズムにだぶらせているわけで、ラストシーンのニュアンスはシネコンでは出にくいだろう。