もっぱらジャングルが舞台だった一作目に変って、今回はイタリアが舞台。美女も出てくるけれど、あまり一時的な目の保養以上に生かされてはいない。
クライマックスで敵が一人だけの上にその手ごわさを事前に売ってないのであまり盛り上がらないし、一番悪いはずの敵の隊長との対決もないので、いささか肩透かし。
物量的にはアップしても一作目のタイトさは望めないのは、まあ予想通り。もっとも、物量アップすると、とりあえず退屈はしないようになります。
救出される活動家が社会党員が唱えていたような平和主義を唱えていて、途中から体を張って祖国を守っている者に対する必要性を認めるようになるのだが、当人が命の危険にさほどさらされるわけではないので、言っていることも転向するのもいささかお手軽。
トム・べレンジャーの狙撃手が教師として若い兵士を教え導くというのがドラマの軸になっているのも一作目と同じ。今回は師弟対決になりそうな流れもあったので、本格的な葛藤にあまりならないのはなんかもったいない。
一作目の原題はシンプルにsniperだが、邦題はずいぶん格好いい。映画に惚れこんだ宣伝マンが力を入れて宣伝したからともいうけれど、日本では残念ながら当たらなかった。アメリカのボックス・オフィスでも$18,994,653だからいいとは思えないが、その割りに続編が何本も作られているのは、ファンがついているからだろうか。
(☆☆☆)